令和8年度介護従事者処遇状況等調査(介護事業実態調査)は何のためのアンケートか、介護報酬改定との関係や、ケアマネ・介護サービス事業者にとってのメリットをわかりやすく解説します。
はじめに、結論。
- 結論1:このアンケートは、令和9年度介護報酬改定のための重要な統計調査
- 結論2:介護職員の給与・処遇、処遇改善加算の効果を国が把握するために行われる
- 結論3:ケアマネ・介護サービス事業者が回答することで、現場の実態を介護報酬に反映させることができる
- 結論4:回答内容は統計法で守られ、税務調査や行政指導には使われない
- 結論5:法人本部への「一括送付」制度により、複数事業所を持つ法人は回答をまとめやすくなる
(引用:介護保険最新情報 Vol.1507 令和8年度介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)へのご協力依頼について)
令和8年度介護従事者処遇状況等調査アンケートの目的
介護従事者処遇状況等調査アンケートは何のために行う?
この調査は、厚生労働省が介護サービス施設・事業所を対象に行う 統計調査 です。主な目的は次のとおりです。
- 介護従事者の処遇の状況(給与・手当・一時金など)を把握するため
- 処遇改善加算の影響や効果を評価するため
- 令和9年度介護報酬改定の基礎資料とするため
通知には、次のように書かれています。
「介護従事者の処遇の状況及び処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、令和9年度介護報酬改定のための基礎資料等として活用される大変重要なもの」
(介護保険最新情報 Vol.1507)
令和8年度介護事業実態調査アンケートの内容
調査で聞かれる主な項目
通知別紙では、調査内容として次のような項目が示されています。
- 介護従事者等の給与等の状況
- 基本給
- 各種手当
- 一時金 など
- 介護職員等処遇改善加算の届出状況
- 令和7年度 介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の申請状況
- 給与以外の処遇改善の取り組み状況
これらの情報を集めることで、
「処遇改善加算や賃上げの取り組みが、実際に現場の処遇改善につながっているか」 を国が確認できるようになっています。
令和8年度介護従事者処遇状況等調査アンケートの流れ
調査のスケジュール
通知では、調査の流れが次のように示されています。
- 7月下旬頃:調査票の送付開始
- 〜8月末:調査票の回答・提出期間
- その後、厚生労働省が集計・分析
- 令和9年度介護報酬改定の検討に反映
また、
無作為抽出調査のため、8月上旬までに調査票が届かない事業所は今回の調査対象ではない
とされています。
介護従事者処遇状況等調査アンケートに回答するために必要な資料
回答前に用意しておくとよい資料
通知別紙では、回答にあたって次の資料を用意しておくとスムーズとされています。
- 介護職員等処遇改善加算の処遇改善計画書(令和7年度・令和8年度)
- 計画書の内容変更があった場合の変更届
- 令和7年度 介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の計画書・実績報告書
- 令和7年7月・令和8年7月の利用者数がわかる資料
- 令和7年7月・令和8年7月の給与支給に関する資料(賃金台帳など)
- 令和8年7月の職員の勤務状況がわかる資料(職員名簿・シフト表など)
(引用:介護保険最新情報 Vol.1507 別紙1)
介護従事者処遇状況等調査アンケートの「一括送付」仕組み
法人本部への一括送付とは?
通知別紙2では、「一括送付」 という仕組みが説明されています。
- 事前に届出をした 法人本部(本社等)宛に、傘下の調査対象事業所分の調査票をまとめて送付
- 傘下事業所が1か所のみでも届出可能
- 一括送付は任意(届出しない場合は、各事業所に直接送付)
一括送付のメリット
- 法人本部で調査票をまとめて管理できる
- 回答漏れを防ぎやすい
- 法人全体でデータを整理しやすい
- 現場の事務負担を軽くできる
(引用:介護保険最新情報 Vol.1507 別紙2)
ケアマネ・介護サービス事業者がアンケートに協力するメリット
メリット1:介護報酬改定に現場の実態を反映できる
この調査は、
令和9年度介護報酬改定の基礎資料として使われる と明記されています。
- 現場の給与水準
- 人手不足の状況
- 処遇改善加算の使われ方
- 職場環境の課題
などが、統計として国に伝わります。
回答が多いほど、「現場の実態に合った介護報酬改定」につながる可能性が高くなります。
メリット2:処遇改善加算の見直しに現場の声を届けられる
調査項目には、処遇改善加算の届出状況や活用状況も含まれています。
- 加算が使いやすいか
- 実際に処遇改善につながっているか
- 事務負担が重すぎないか
といった点が、データとして国に伝わります。
その結果、
処遇改善加算の内容や仕組みが、現場にとって使いやすい方向に見直される可能性があります。
メリット3:介護職員の処遇改善の根拠づくりになる
介護従事者の給与・手当・一時金などの実態が集計されることで、
- 給与水準がどの程度か
- 他産業と比べてどうか
- 処遇改善がどこまで進んでいるか
が明らかになります。
これは、
介護職員の処遇改善を進めるための「数字による根拠」 になります。
メリット4:事業所の実態を国に直接伝える機会になる
この調査は 無作為抽出 で選ばれた事業所だけが対象です。
調査票が届いた事業所は、
「自分たちの現場の状況を、国に直接届けることができる立場」 と言えます。
- 人材確保の難しさ
- 夜勤負担の重さ
- 加算の事務負担
- 賃上げの限界
など、日々感じていることが、統計として国に届きます。
メリット5:回答内容は統計法で守られる
通知には、次のように書かれています。
統計法第41条により、回答いただいた調査報告の秘密は厳守され、行政上の経営管理や税務調査のための資料といった、統計の作成以外の目的に使用することはありません。
つまり、
- 税務調査
- 行政指導
- 指定取消や監査の材料
などに使われることはありません。
安心して回答できることも、大きなメリットです。
介護従事者処遇状況等調査アンケートへの実務的な向き合い方
事業所として押さえておきたいポイント
- 調査票が届いたら、「重要な統計調査」であることを法人内・事業所内で共有する
- 回答担当者を決め、必要な資料を早めに準備する
- 法人本部がある場合は、「一括送付」の活用も検討する
- 回答内容は、今後の介護報酬や処遇改善に直結することを意識して記入する
まとめ:令和8年度介護従事者処遇状況等調査は「現場の未来をつくるアンケート」
- このアンケートは、令和9年度介護報酬改定の基礎資料となる重要な調査
- 介護職員の給与・処遇、処遇改善加算の効果、職場環境の実態を国に伝える役割を持つ
- ケアマネ・介護サービス事業者が協力することで、現場の実態に近い介護報酬・処遇改善につながる
- 回答内容は統計法で守られ、他の目的には使われない
- 法人本部への一括送付制度により、複数事業所を持つ法人も回答しやすくなっている
引用・参考資料
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1507 令和8年度介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)へのご協力依頼について」
- 厚生労働省 介護保険最新情報掲載ページ
(高齢者介護に関する通知・事務連絡 一覧)

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