厚労省が語ったケアマネの現状と課題 ― 資格の位置づけ・研修負担・ケアプラン様式の見直し ―
1.ケアマネ資格の位置づけと地位向上の課題
説明された内容
ケアマネージャーは、
- 利用者の生活全体の見立て
- 医療・介護・福祉サービスの調整
を担う「制度の要」である。
しかし現状では、
- 社会的評価が低い
- 処遇も十分ではない
- 人材確保が難しくなっている
という深刻な課題がある。
特に、
「ケアマネ資格は国家資格ではなく、都道府県の公的資格にすぎない」
という誤解が広く浸透しており、地位向上の妨げになっているという指摘があった。
議員は、
国(厚生労働大臣)が直接指定する形にすれば、国家資格としての明確性が高まり、地位向上につながるのではないか
と提案した。
問題点
- 法的には国家資格なのに、世間の認識が追いついていない。
登録事務を都道府県が行うため、国家資格としての“見え方”が弱い。 - 役割の重さと社会的評価のギャップ。
ケアマネは高度な専門職だが、待遇・評価が追いつかず、若い人材が参入しにくい。 - 資格管理が都道府県ごとで統一性が弱い。
他の国家資格のような「全国一元管理」の印象が薄い。
行政(厚労省)の考え
- 介護支援専門員は介護保険法に規定された国家資格であると明言。
- 更新制度見直しに合わせ、
都道府県をまたいで研修履歴を一元管理できる仕組みを検討中。
→ 国家資格としての統一性・信頼性が高まる方向。 - ケアマネの魅力発信や専門性の周知を強化し、地位向上に取り組む姿勢を示した。
2.ケアマネ研修の負担軽減(時間・費用・管理)
説明された内容
更新制度は廃止されるが、
制度上必要な研修は残る。
国はすでに、
- 統一教材の国作成
- オンライン・オンデマンド化
- 研修時間の短縮
を進めると説明しており、議員も方向性は評価。
しかし現場からは、
- 受講料・交通費などの費用負担が重い
- 小規模事業所では、
研修受講管理を事業所が担うこと自体が大きな負担
という声が強い。
議員は、
- 研修費用の軽減
- 研修受講管理の負担軽減
を求めた。
問題点
- 時間だけでなく「お金」と「事務」が重い。
特に小規模事業所では、管理者=ケアマネであることが多く、負担が集中。 - 研修が“義務消化”になりやすい。
負担が大きいほど、学びの質が下がるリスク。 - 事業所間の格差が広がる。
資金力のある法人は対応できるが、小規模事業所は厳しい。
行政(厚労省)の考え
- 統一教材・オンライン化・時間短縮により、
時間的・経済的負担の軽減につながると説明。 - 費用面は、
地域医療介護総合確保基金の活用で支援を想定。 - 研修受講管理は、
都道府県が一元管理するシステムを構築し、事業所の事務負担を減らす方向で検討。
3.要介護・要支援でケアプラン様式が分かれている問題
説明された内容
現状、
- 要介護のケアプラン様式
- 要支援(介護予防)のケアプラン様式
が別々になっている。
現場のケアマネからは、
「要介護の様式に統一してほしい」
という声が非常に多い。
議員は、
- 様式が分かれていることで実務が煩雑
- 利用者・家族にもわかりにくい
- ICTシステムも二重構造になり負担が増える
と指摘し、統一を求めた。
問題点
- 二重の様式・二重のロジックで実務が複雑化。
- 利用者・家族にとっても理解しづらい。
- ICTシステムの負担増。
- 支援プロセスは本来連続しているのに、書類だけが分断されている。
行政(厚労省)の考え
- 社会保障審議会の報告書でも、
「介護予防支援のプロセス見直し」が明記されている。 - 要支援のケアマネジメントを、
要介護と整合的なプロセスに近づける方向で検討中。 - 様式統一・簡素化についても、
現場の意見を踏まえて検討を進めると回答。
まとめ(1・2・3を通して見える全体像)
- 1:資格の位置づけと地位向上
→ 国家資格としての明確化と社会的評価の底上げが必要。 - 2:研修負担の軽減
→ 時間・費用・事務の三重負担を減らし、学びの質を高める仕組みへ。 - 3:ケアプラン様式の統一
→ 実務の簡素化と利用者にわかりやすい仕組みづくり。
これらはすべて、
「ケアマネを制度の中核として再定義し直す」ための改革の流れ
としてつながっている。
本記事は、2026年5月22日の厚生労働委員会での質疑・老健局長答弁をもとに、来年の法改正に向けて議論されている論点を整理したものです。現時点で法改正として確定した内容ではありません。

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