まず結論
今回の介護保険最新情報Vol.1518は、これまで国会で審議されてきた「社会福祉法・介護保険法などの大規模な改正内容」が正式に“公布”されたことを知らせる通知です。 このページでは、その公布された内容を、専門職でも一般の方でも理解できるように、何がどう変わるのかを項目ごとにわかりやすく整理しています。
- ◆第1章 社会福祉法の改正
- ◆第2章 介護保険法の改正
- 第2の1 国・都道府県の責務(生産性向上・経営安定)
- 第2の2 電子資格確認・被保険者証の返還
- 第2の3 特定施設の定義整理
- 第2の4 夜間対応型訪問介護の廃止
- 第2の5 要介護認定の申請代行の拡大
- 第2の6 特定地域居宅サービス(人口減少地域の特例)
- 第2の7 特定福祉用具購入費の見直し
- 第2の8 ケアマネ資格更新制の廃止と新研修制度
- 第2の9 施設の指定辞退のルール化
- 第2の10 特定地域の老健・介護医療院の基準緩和
- 第2の11 総合事業の拠点整備の明確化
- 第2の12 第一号介護予防支援の委託先の柔軟化
- 第2の13 支援会議の連携強化
- 第2の14 介護保険事業計画の見直し
- 第2の15 介護人材確保の協議会の設置
- 第2の16 登録施設介護支援・登録施設介護予防支援の創設
- 第2の17 その他の改正
- ◆第3章 障害者総合支援法の改正
- ◆第4章 児童福祉法の改正
- ◆第5章 生活困窮者自立支援法の改正
- ◆第6章 老人福祉法の改正
- 🔷【第7 社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正】
- 🔷【第8 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部改正】
- 🔷【第9 生活保護法の一部改正】
- 🔷【第10 施行期日等】
◆第1章 社会福祉法の改正
第1の1 国・自治体の責務(防災・消費者施策との連携)
地域の福祉を進めるときに、 「災害のときにどう守るか」や「悪質商法からどう守るか」 といった取り組みとも一緒に考えて進めることが、国や市町村の大事な役目だとハッキリ決められました。 → 福祉だけを見るのではなく、地域の安全や生活全体を守る方向に変わりました。
第1の2 社会福祉法人の残ったお金の扱い
社会福祉法人がなくなるときに、 残ったお金や財産がどこへ行くのか が決まっていませんでした。 これからは、必ず ほかの福祉法人や市町村に引き継ぐ ことになりました。 → お金が変なところに流れず、地域の福祉にちゃんと使われるようになりました。
第1の3 福祉の仕事をする人を増やすための会議の設置
介護や福祉の仕事をする人が足りない問題を解決するために、 ハローワーク・学校・事業所などが集まって話し合う会議を、都道府県が作るように努力する と決められました。 → バラバラにやっていた人材確保を、地域全体で協力して進める形に変わりました。
第1の4 介護福祉士などの働き方の届け出の見直し
これまでは「辞めたときだけ」届け出でしたが、 今働いている人も届け出るように努力する と決められました。 → どこで何人働いているのか、国が正しく把握できるようになりました。
第1の5 地域福祉の推進(支援会議・重層的支援・小規模市町村支援)
●支援会議
困りごとが複雑な人(例:8050問題、孤独、虐待など)を支えるために、 いろいろな機関が集まって話し合える会議を市町村が作れるようになりました。 → 一つの機関だけで抱え込まず、みんなで支える形に変わりました。
●重層的支援
市町村が作る支援の計画に、 目標や進め方、見直しの方法をしっかり書くこと が決められました。 → 計画を作って終わりではなく、ちゃんと見直しながら進める形に変わりました。
●小規模市町村支援
人口が少ない町でも、 相談支援・地域づくり・虐待対応などをまとめて行える仕組み ができました。 → 小さな町でも必要な支援が続けられるようになりました。
第1の6 地域福祉を手伝う団体を市町村が認められる制度
見守り活動や子ども食堂など、地域でがんばっている団体を、 市町村が「地域福祉を手伝う団体」として正式に認められるようになりました。 → 行政だけでなく、地域の団体も福祉の仲間として扱われるようになりました。
第1の7 成年後見制度の利用を助ける仕組みの強化
判断が難しい高齢者や障害のある人を守るための制度(成年後見制度)が、 もっと使いやすくなるよう、市町村が相談窓口や調整役をしっかり担う ことになりました。 → 必要なのに制度が使われない問題を減らす方向に変わりました。
第1の8 地域福祉計画の見直し
地域福祉の計画には、 医療・教育・住まい・防災・消費者被害防止など、生活に関わる分野との連携を必ず書く ように決められました。 → 福祉だけでなく、生活全体を支える計画に変わりました。
第1の9 災害時に福祉支援をする人の登録制度
災害が起きたときに、 介護福祉士・ケアマネ・保育士などを国が登録し、都道府県がすぐに派遣できる制度 ができました。 → 避難所での支援が遅れる問題を解決する方向に変わりました。
第1の10 社会福祉連携推進法人の役割拡大
複数の福祉法人が協力する「連携法人」が、 お金以外の資産を貸したり、不足している福祉サービスを提供したりできるようになりました。 → 地域の福祉を補い合える仕組みに強化されました。
第1の11 福祉サービス利用援助事業の見直し
支援が必要な人の対象が広がり、 医療の手続きや葬儀など、生活に必要なことも手伝えるようになりました。 → 生活に困っている人を、より幅広く支えられるようになりました。
◆第2章 介護保険法の改正
第2の1 国・都道府県の責務(生産性向上・経営安定)
介護サービスの質を上げたり、仕事の効率をよくしたり、人材を増やしたりすることを、 国と都道府県がしっかり進めるべき大事な役目だよ と決められました。 → 介護の現場が働きやすく、サービスも良くなる方向に変わりました。
第2の2 電子資格確認・被保険者証の返還
マイナンバーカードを使って、 「この人は介護保険を使えるかどうか」をその場で確認できる仕組み が正式に始まります。 資格を失ったときの保険証の返し方も決まりました。 → 手続きが早くなり、紙の保険証に頼らなくてよくなります。
第2の3 特定施設の定義整理
「特定施設」という言葉の意味がわかりにくかったので、 登録有料老人ホームとの違いがハッキリわかるように整理されました。 → 施設の種類がわかりやすくなり、制度の混乱が減ります。
第2の4 夜間対応型訪問介護の廃止
夜間にボタンを押すとヘルパーが来てくれるサービスがありましたが、 利用が少なかったため、制度からなくなりました。 → 使われていないサービスを整理して、制度をシンプルにしました。
第2の5 要介護認定の申請代行の拡大
これまでは限られた事業所しか申請代行できませんでしたが、 小規模多機能やグループホーム、老健なども代行できるようになりました。 → 利用者が申請しやすくなり、手続きの負担が軽くなります。
第2の6 特定地域居宅サービス(人口減少地域の特例)
人が少ない地域では、普通の基準を満たすのがむずかしいことがあります。 そこで、 その地域に合った基準でサービスを認める仕組み ができました。 → 田舎でも必要な介護サービスが続けられるようになります。
第2の7 特定福祉用具購入費の見直し
福祉用具(手すり・シャワーチェアなど)を買うとき、 「平均的な値段」をもとに支給額を決める仕組み がハッキリしました。 → 高すぎる商品でも、適正な範囲で給付されるようになります。
第2の8 ケアマネ資格更新制の廃止と新研修制度
ケアマネの資格には「更新期限」がありましたが、 その期限がなくなり、代わりに“研修を受け続ける義務”に変わりました。 → ケアマネが常に最新の知識を学び続ける仕組みに変わりました。
第2の9 施設の指定辞退のルール化
特養や老健などが「もう施設を続けられません」と辞めるとき、 1か月以上前に知らせるルール ができました。 → 利用者が急に困らないようにするためです。
第2の10 特定地域の老健・介護医療院の基準緩和
人口が少ない地域では、 職員数や設備の基準を地域に合わせてゆるめられる ようになりました。 → 人手不足でも施設が続けられるようになります。
第2の11 総合事業の拠点整備の明確化
地域の「通いの場」や「集まりの場」を、 介護予防と地域づくりの中心として位置づける ことが決まりました。 → 地域のつながりを作りやすくなります。
第2の12 第一号介護予防支援の委託先の柔軟化
これまでは老人介護支援センターにまとめて委託していましたが、 基準を満たせば他の事業所にも委託できるようになりました。 → 地域に合ったやり方で支援ができます。
第2の13 支援会議の連携強化
介護だけでなく、 障害・生活困窮・住宅などの会議とも連携して支援できるように なりました。 → 困りごとを“分野ごと”に分けず、まとめて支援できます。
第2の14 介護保険事業計画の見直し
市町村や都道府県が作る計画に、 将来のサービス量の予測や、人材確保の取り組みを書くこと が求められました。 → 計画がより現実的で、先を見据えたものになります。
第2の15 介護人材確保の協議会の設置
介護の仕事をする人を増やすため、 都道府県に“人材確保の会議”を作ることが決まりました。 → 地域全体で人材不足に取り組む形になります。
第2の16 登録施設介護支援・登録施設介護予防支援の創設
有料老人ホームに住む人にも、 居宅と同じようにケアマネが計画を作れる仕組み ができました。 → 施設に住んでいても、ケアマネの支援が受けられます。
第2の17 その他の改正
新しい制度(登録施設介護支援)を動かすための細かいルールが整えられました。
◆第3章 障害者総合支援法の改正
第3の1 国・都道府県の責務の明確化
障害福祉サービスの質を上げたり、人材を増やしたりすることが、 国と都道府県の大事な役目だよ と決められました。
第3の2 特例給付(特定地域サービス)の創設
人口が少ない地域でも障害福祉サービスが続けられるように、 その地域に合った基準でサービスを認める仕組み ができました。
第3の3 障害福祉計画の見直し
市町村や都道府県が作る計画に、 人材確保やサービスの効率化などを書くこと が求められました。
第3の4 支援協議会の連携強化
障害分野の会議が、 介護・生活困窮・住宅などの会議とも連携して支援できるように なりました。
第3の5 促進協議会の設置
障害福祉サービスの質を上げるための会議を作れるようになりました。
◆第4章 児童福祉法の改正
第4の1 特例障害児通所給付費の創設
人口が少ない地域でも、 障害児通所支援が続けられるようにする特例の仕組み ができました。
第4の2 基本指針の見直し(生産性向上・人材確保)
障害児支援の基本方針に、 人材を増やすことや、仕事の効率をよくすること が追加されました。
第4の3 障害児福祉計画の見直し
市町村や都道府県の計画に、 人材確保やサービスの質向上を書くこと が求められました。
第4の4 協議会の設置
障害児支援の質を上げるための会議を作れるようになりました。
◆第5章 生活困窮者自立支援法の改正
第5の1 防災・消費者行政との連携強化
生活に困っている人を支えるときに、 災害対策や悪質商法の被害防止とも連携して支援する ことが決められました。
第5の2 居住支援事業の対象拡大
家族が近くにいないなどで生活に困っている人や、 生活保護の中でも特に支援が必要な人も、 住まいの支援を受けられるようになりました。
◆第6章 老人福祉法の改正
第6の1 老人福祉計画の連携強化
市町村が作る老人福祉計画に、老人福祉事業者と支援関係機関がしっかり連携する内容を盛り込むよう努めることが定められました。 → 高齢者支援を、事業者と行政が一緒に進める方向に変わりました。
6の2 有料老人ホーム協会の業務拡大(入居情報の適正化・入居者保護)
有料老人ホーム協会の業務に、
- 入居情報提供事業者の適正利用の調査・研究
- 入居者の利益保護に関する情報収集・提供 が追加されました。 → 入居者が安心して施設を選べるよう、情報の質を高める方向に変わりました。
6の3 有料老人ホームの届出・運営ルールの強化
●(1)有料老人ホームの届出義務
登録有料老人ホーム以外の施設でも、入居者の要介護度などを都道府県に事前に届け出ることが義務化されました。 → 施設の実態を行政が把握しやすくなり、利用者保護が強化されました。
●(2)事業計画書・約款の提出義務
届出には、事業計画書や入居契約の約款などを添付する必要が明確化されました。 → 契約内容の透明性が高まりました。
●(3)誇大広告禁止・重要事項説明の義務化
誇大広告の禁止や、契約前の書面交付・説明などのルールが整備されました。 → 入居者が誤解なく施設を選べるように変わりました。
●(4)重度化した入居者の移行支援
入居者が重度化した場合、登録有料老人ホームや介護保険施設へ円滑に移れるよう、施設側が調整する義務が定められました。 → 介護が必要になっても、適切な施設へスムーズに移れるようになりました。
●(5)監督規定の整備
報告徴収・立入検査・改善命令・事業停止命令などの監督規定が整えられました。 → 不適切な運営を防ぐ仕組みが強化されました。
6の4 登録有料老人ホーム制度の創設(5年更新制)
●(1)登録制の導入
一定の要介護状態の人を入居させる有料老人ホームは、都道府県知事の「登録」が必要になりました。 → 介護が必要な人を受け入れる施設の質を確保する仕組みに変わりました。
●(2)5年ごとの更新制
登録は5年ごとに更新が必要です。 → 継続的に基準を満たしているか確認する仕組みに変わりました。
●(3)申請書類の明確化
申請には、
- 施設の名称・所在地
- 入居者の要介護度
- 提供する介護内容
- 連携する介護サービス事業者
- 重要事項 などを記載した書類の提出が必要になりました。 → 施設の内容が明確になり、利用者が選びやすくなりました。
●(4)登録基準の明確化
入居契約の適正性、運営の重要事項、設備・運営基準を満たすことが登録の条件になりました。 → 不適切な施設が登録されないように変わりました。
●(5)条例による基準設定
都道府県は、職員配置や運営基準などを条例で定めることになりました。 → 地域の実情に合わせた基準づくりが可能になりました。
●(6)市町村への通知
登録された施設は、市町村にも通知されます。 → 地域の高齢者支援と連携しやすくなりました。
●(7)登録拒否の要件
過去5年以内に不正行為がある場合などは登録を拒否されます。 → 不正を行った事業者が参入できない仕組みに変わりました。
●(8)登録簿の公開
登録内容は「登録簿」に記載され、一般公開されます。 → 透明性が高まり、利用者が比較しやすくなりました。
●(9)変更・廃止・抹消のルール整備
登録内容の変更や廃止、登録抹消などの手続きが整備されました。 → 施設の情報が常に最新になるように変わりました。
●(10)誇大広告禁止・重要事項説明の義務化(登録施設版)
登録施設にも、広告・説明のルールが適用されます。 → 入居者保護がさらに強化されました。
●(11)一般有料老人ホームの規定の準用
一部の規定は登録施設にも適用されます。 → ルールの統一性が高まりました。
●(12)監督規定(報告徴収・立入検査・改善命令・取消し)
登録施設に対しても監督が強化されました。 → 不適切運営を防ぐ仕組みが整いました。
●(13)指定登録機関制度
都道府県知事が指定する機関が、登録事務や閲覧事務を行えるようになりました。 → 行政の事務負担を軽減しつつ、運営の効率化が図られました。
🔷【第7 社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正】
7の1 准介護福祉士の廃止
介護福祉士養成施設を卒業した人に付与されていた「准介護福祉士」の資格が廃止されました。 → 資格体系を整理し、介護福祉士資格に一本化する方向に変わりました。
🔷【第8 社会福祉士及び介護福祉士法等の一部改正】
8の1 介護福祉士資格取得の特例期間の延長
介護福祉士養成施設の卒業者が、卒業後5年間介護業務に従事すれば介護福祉士資格を取得できる特例の対象期間が、令和8年度卒業者まで延長されました。 → 現場の人材確保を支えるため、資格取得の猶予措置が延長されました。
🔷【第9 生活保護法の一部改正】
9の1 登録施設介護支援への対応
生活保護の介護扶助に、登録施設介護支援・登録施設介護予防支援が追加されました。 → 生活保護受給者も新しいケアマネ支援を利用できるように変わりました。
🔷【第10 施行期日等】
10の1 施行期日(いつから変わるか)
法律全体は令和9年4月1日施行ですが、項目ごとに施行日が異なります。 → 段階的に制度が変わるように調整されています。
主な施行日
- 公布日施行:第1の1の一部、第5の1、第8
- 公布後1年6か月以内:第2の8(ケアマネ更新制廃止)
- 公布後2年以内:第1の7、第2の3、第2の14の一部、第6の3・4
- 公布後3年以内:第1の3の一部、第2の2(3)、第2の16、第3の5、第4の4、第9の1
10の2 施行後5年の見直し規定
施行後5年を目途に、制度の実施状況を見て必要な見直しを行うことが定められました。 → 制度を実際に運用しながら、改善していく仕組みに変わりました。
10の3 経過措置・関係法整備
施行に伴い必要な経過措置や、関連する法律の整備が行われます。 → 制度変更による混乱を防ぐための調整が行われます。
引用・参考: 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」 (令和8年6月25日 公布) https://www.mhlw.go.jp/content/001715668.pdf


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