結論
高齢者施設が薬局に「物をちょうだい」「無料で使わせて」とお願いすることはダメ。 薬局が施設に「タダで物をあげるから、うちを使って」と誘うのもダメ。
要点
- ダメなのは「薬局と施設のあいだで、物やサービスをやり取りして誘うこと」
- 対象となる施設は、介護保険で使われる高齢者向けの施設
- 配薬カート・調剤棚・見守りシステムなどを薬局が負担するのはNG
- ただし、個人の薬をわかりやすくするための道具(服薬カレンダーなど)はOK
- すでに使っている物は、令和9年5月31日までは特別にOK(経過措置)
どんな施設が対象なの?(キーワード:高齢者施設等)
PDFでは、次のような施設が対象と書かれています 。
対象となる施設(全部「高齢者施設等」と呼ぶ)
- 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- 老人保健施設(老健)
- 介護医療院
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- 有料老人ホーム
- 養護老人ホーム
- 軽費老人ホーム(ケアハウス)
つまり、介護保険を使う高齢者が住んでいる施設はほぼ全部対象です。
何をしたらダメなの?(キーワード:経済上の利益の提供)
厚労省は、薬局と施設のあいだで「物やサービスをあげる・もらう」ことで 患者(入居者)を誘う行為を禁止しています。
ダメな行為の例
- 施設が薬局に「配薬カートをタダでちょうだい」と言う
- 薬局が「調剤棚を無料で置いてあげるから、うちの薬局を使って」と言う
- 施設が使う見守りシステムの費用を薬局が払う
- 配薬を助けるシステムの利用料を薬局が負担する
- 第三者を通して、こっそり物を渡す
これらはすべて 「経済上の利益の提供」=禁止行為 になります。
PDFにも次のように書かれています :
配薬カートや調剤棚など、施設に置く道具を薬局が負担することはNG 施設が使う配薬支援システムや見守りシステムの費用を薬局が負担するのもNG
逆に、何ならOKなの?(キーワード:服薬カレンダー)
薬剤師が必要と判断した「個人の薬の管理」に使う物はOK
- 服薬カレンダー
- 服薬ボックス
- 個人の薬をわかりやすくするための道具
これは、薬剤師が「この人の薬の管理に必要だ」と判断した場合に限り、 薬局が用意しても問題ありません。
PDFにも次のように書かれています :
患者個別に用意する服薬カレンダーや服薬ボックスは、薬剤師が必要と判断した場合はOK
いつからダメなの?(キーワード:令和8年6月23日)
新しいルールの開始日
- 令和8年6月23日から → 新しく物をあげたり、費用を負担するのはNG
経過措置(特別にOKの期間)
- 令和9年5月31日まで → すでに続けている物品提供は、この期間だけ特別にOK → それまでに見直しが必要
まとめ:施設も薬局も「物のやり取り」は慎重に
今回の通知は、 薬局と施設のあいだで不公平な誘いが起きないようにするためのルールです。
- 施設は「薬局に物をお願いしない」
- 薬局は「施設に物をあげて誘わない」
この2つを守ることが大切です。
引用・参考資料
- 厚生労働省 老健局「介護保険最新情報 Vol.1528」
- 厚生労働省 保険局 医療課「経済上の利益の提供による誘引の禁止について」
※この記事は厚生労働省の通知をわかりやすく整理したものです。 実際の判断や運用を行うときは、必ず厚生労働省が公表している正式な文章(通知・PDF)を確認してください。


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