結論|ケアマネジャーは令和9年1月予定の移行に向けて今から準備が必要
ケアプランデータ連携システムは、令和9年(2027年)1月を予定して、介護情報基盤の「介護保険資格確認等WEBサービス(介護WEBサービス)」へ統合されます。
現在ケアプランデータ連携システムを利用している事業所も、まだ利用していない事業所も、今後利用する場合には準備が必要です。
厚生労働省は、令和8年7月から12月までを移行準備期間として、早めに介護WEBサービスへの登録を進めるよう案内しています。具体的な移行日は今後改めて周知される予定です。
ケアマネジャーが、今回まず押さえるポイント
- ケアプランデータ連携システムは令和9年1月に介護WEBサービスへ移行予定
- 現在利用している事業所も介護WEBサービスへの登録が必要
- 現在利用していない事業所は、ケアプランデータ連携システムの導入と介護WEBサービスの登録が必要
- 移行準備期間は、令和8年7月から12月までが基本
- 市町村の介護情報基盤の利用開始時期にかかわらず、ケアプランデータ連携システムの移行準備は必要
- 介護WEBサービスでは、資格情報、要介護認定情報、住宅改修・福祉用具購入費の利用状況などを確認できるようになる
- 要介護認定の進捗確認や認定関連書類の確認も、介護WEBサービスでできるようになる
- 居宅サービス計画作成依頼届出の電子的な代行提出も可能になる
- 利用者の情報を見るためには「本人確認」と「包括同意」が必要
- 令和8年4月1日から要介護・要支援認定申請書が変更され、包括同意の欄が設けられている
- 介護情報基盤の導入には、カードリーダーや接続設定などへの助成制度がある
- 介護WEBサービスへの移行後は、ケアプランデータ連携に新たな利用料はかからない予定
- ケアプランデータ連携システムとは?ケアマネジャーが知っておきたい基本
- ケアプランデータ連携システムは令和9年1月に介護WEBサービスへ移行予定
- 介護WEBサービスへの移行でケアマネジャーは何をすればいい?
- ケアプランデータ連携システムの移行準備はいつまで?
- 介護WEBサービスへの登録に必要なもの
- 介護情報基盤とは?ケアマネジャーに関係する仕組みを整理
- 介護情報基盤でケアマネジャーの仕事はどう変わる?
- 介護WEBサービスで利用者の情報を見るには「本人確認」と「包括同意」が必要
- 包括同意とは?ケアマネジャーが知っておきたいポイント
- 包括同意は誰から、いつ取得する?
- 介護保険でもマイナンバーカードを利用できるようになる
- マイナンバーカードによる本人確認には24時間の注意点がある
- 介護WEBサービスを利用するために必要な準備
- 介護情報基盤の導入には助成金がある
- 介護情報基盤の助成限度額はサービス種別で異なる
- ケアプランデータ連携システムの利用料はどうなる?
- 介護WEBサービスではケアプランデータ連携も便利になる
- ケアマネジャーが今からやっておきたいこと
- ケアプランデータ連携システムの導入は「登録して終わり」ではない
- 介護情報基盤の利用開始日は市町村ごとに確認する
- 今回の説明会でケアマネジャーが特に注意したい5つのポイント
- まとめ|ケアマネジャーは今のうちに「登録・端末・同意・業務手順」を確認
ケアプランデータ連携システムとは?ケアマネジャーが知っておきたい基本
ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所との間で、ケアプランの計画・予定・実績などのデータを電子的にやり取りするための仕組みです。
これまでは、ケアプランを紙に印刷してFAXや郵送、手渡しなどでやり取りする場面がありました。
ケアプランデータ連携システムを利用すると、異なる介護ソフトを使っている事業所同士でもデータ連携ができます。
厚生労働省の説明会資料では、紙でやり取りしていた場合と比較して、印刷・郵送・移動などにかかる作業時間が約3分の1、経費が約2分の1になるとの調査研究の試算が示されています。
ケアプランデータ連携システム導入で何が変わる?
ケアマネジャーの業務では、例えば次のような負担軽減が期待されます。
- ケアプランの印刷が減る
- FAX送信が減る
- 郵送が減る
- サービス事業所へのデータ入力の転記が減る
- 計画・予定・実績のデータを電子的にやり取りできる
- 文書をPDFなどで送信できる
ただし、導入すれば翌日から自動的に業務が楽になるわけではありません。
厚生労働省も、紙ベースの業務がデータ化されることで、導入当初は業務手順の変更が必要になり、場合によっては一時的に事務効率が悪くなることがあると説明しています。
そのため、居宅介護支援事業所では、
- 誰が送信するのか
- 誰が受信を確認するのか
- いつまでにデータを入力するのか
- どのタイミングでシステムを確認するのか
などをあらかじめ決めておくことが大切です。
ケアプランデータ連携システムは令和9年1月に介護WEBサービスへ移行予定
今回の大きなポイントが、ケアプランデータ連携システムの「引っ越し」です。
厚生労働省は、令和9年(2027年)1月を予定して、現在のケアプランデータ連携システムを介護情報基盤の一部である「介護WEBサービス」へ移行するとしています。
現在はパソコンに専用のソフトウェアをインストールして利用していますが、移行後は介護WEBサービスにログインして、ケアプランデータ連携機能を利用する形になります。
なお、具体的な移行日は今後改めて周知される予定です。
現在のケアプランデータ連携システムはどうなる?
現在のシステムは、介護WEBサービスへの移行後、一定期間が経過した後に稼働を終了する予定です。
つまり、
「今のシステムをずっと使い続ければいい」
ということではありません。
今後もケアプランデータ連携を利用する事業所は、介護WEBサービスへの移行準備を進める必要があります。
介護WEBサービスへの移行でケアマネジャーは何をすればいい?
事業所の状況によって対応が変わります。
すでに介護WEBサービスへ登録している事業所
すでに介護WEBサービスの利用登録を終えている場合、統合後はケアプランデータ連携機能を利用できるため、改めて登録する必要はありません。
ケアプランデータ連携システムは使っているが、介護WEBサービスに登録していない事業所
この場合は、介護WEBサービスへの利用登録が必要です。
厚生労働省は、移行直前になると問い合わせが集中することも想定しているため、早めの登録を呼びかけています。
まだケアプランデータ連携システムを使っていない事業所
この場合は、
「ケアプランデータ連携システムの導入」
と
「介護WEBサービスの利用登録」
の両方が必要です。
これから導入する事業所については、早めにシステムを導入して実際の操作に慣れておくことが説明会でも勧められています。
ケアプランデータ連携システムの移行準備はいつまで?
令和8年7月から12月までが移行準備期間とされています。
特に注意したいのは、
市町村の介護情報基盤の利用開始日を待ってから準備すればいいわけではない
という点です。
厚生労働省の資料では、ケアプランデータ連携については自治体の介護情報基盤の利用開始日前から利用できるため、自治体の開始時期にかかわらず早めの登録が勧められています。
したがって、ケアマネジャーとしては、
「うちの市町村はまだ介護情報基盤が始まっていないから、何もしなくていい」
とは考えないほうがよいでしょう。
介護WEBサービスへの登録に必要なもの
すでにケアプランデータ連携システムを利用している事業所の場合、介護WEBサービスへの登録では、電子請求受付システムの情報などを使用します。
説明会資料では、主な流れとして、
- 介護WEBサービスの登録サイトを開く
- 「事業所ユーザログイン」を選択
- 電子請求受付システムのID・パスワードでログイン
- セキュリティコードを入力
- ワンタイム認証を行う
- 管理者ユーザを登録
という手順が示されています。
説明会では、登録にかかる時間は数分程度と説明されています。
電子請求受付システムのID・パスワードを確認しておく
登録前に、
- 電子請求受付システムのユーザID
- パスワード
- 登録メールアドレス
などを確認しておくと、手続きを進めやすくなります。
介護情報基盤とは?ケアマネジャーに関係する仕組みを整理
介護情報基盤とは、これまで介護事業所、市町村、利用者、医療機関などに分散していた介護関係の情報を集約し、関係者が情報を連携できるようにする仕組みです。
厚生労働省は、紙によるやり取りや手続きの負担を減らし、より少ない負担で、早く正確に業務を行えるようにすることを目的として説明しています。
ケアプランだけではありません。
介護保険の資格情報や要介護認定情報なども、介護情報基盤を通じて連携できるようになります。
介護情報基盤でケアマネジャーの仕事はどう変わる?
今回の説明会では、ケアマネジャーの業務に関係する具体的な変化として、主に4つが示されました。
① 介護保険の資格情報を介護WEBサービスで確認できる
これまでは、負担割合証や限度額認定証など、給付に必要な書類を利用者や家族に確認してもらう必要がありました。
今後は、介護WEBサービスを利用することで、給付に必要な情報を確認できるようになります。
更新された情報についても、介護WEBサービスで確認できるようになるとされています。
ケアマネジャーにとっては、
「証書が届いていますか?」
「新しい負担割合証を見せてもらえますか?」
といった確認業務の一部が変わってくる可能性があります。
ただし、実際の運用では、介護WEBサービスで確認できる情報の範囲や事業所の利用環境などを確認したうえで対応することが重要です。
② 要介護認定の進捗状況を介護WEBサービスで確認できる
これまで要介護認定の進捗が気になる場合、自治体へ電話で問い合わせたり、窓口へ確認したりすることがありました。
今後は、介護WEBサービスから認定の進捗状況を確認できるようになります。
さらに、認定結果やケアプラン作成に必要な認定関連書類についても、介護WEBサービスから確認できるようになるとされています。
ケアマネジャーにとって特に重要なポイント
説明会資料では、ケアプラン作成に必要な認定調査や主治医意見書などの認定関連書類についても、介護WEBサービス経由でケアマネジャー等が確認できるようになるとされています。
これにより、
- 認定結果を待つ
- 自治体へ進捗を電話確認する
- 窓口や郵送で書類を受け取る
といった従来の流れが変わることが期待されています。
③ 住宅改修費・福祉用具購入費の利用状況を確認できる
住宅改修費や福祉用具購入費について、これまでは利用状況を市町村へ電話などで確認する必要がありました。
今後は介護WEBサービスから、事業所が自ら利用状況を確認できるようになります。
ケアマネジャーにとっては、住宅改修や福祉用具購入を検討するときの確認方法が変わる可能性があります。
④ 居宅サービス計画作成依頼届出を電子的に提出できる
これまで、本人確認をしたうえで、居宅サービス計画作成依頼届出を紙で自治体窓口へ代行提出するケースがありました。
今後は、介護WEBサービスを使って、本人確認のうえ電子的に代行提出できるようになります。
これは居宅介護支援事業所にとって、実務上かなり関係の深い変更です。
介護WEBサービスで利用者の情報を見るには「本人確認」と「包括同意」が必要
今回の説明会で、ケアマネジャーが特に注意したいのが、
本人確認
と
包括同意
です。
この2つは同じものではありません。
介護WEBサービスで利用者の情報を参照するには、介護事業所による本人確認と、利用者による情報参照への包括同意の2つが必要とされています。
本人確認とは?
本人確認は、
「介護WEBサービスを使っている事業所が、本当にその利用者と関わっているのか」
を確認するためのものです。
方法として、
- 利用者のマイナンバーカードを読み取る
- 介護保険被保険者証の4情報を入力する
という方法が示されています。
マイナンバーカードを利用する場合は、カードの顔写真と利用者本人を目視で確認したうえで、マイナ資格確認アプリを使って読み取ります。
4情報を利用する場合は、被保険者番号、保険者番号、カナ氏名、生年月日、性別の情報を入力します。
本人確認をしただけで、すべての情報が見られるわけではない
ここは重要です。
本人確認は、
「この利用者と関係のある事業所である」
ことを確認するための手続きです。
さらに、要介護認定情報、ケアプラン情報、LIFE情報などの詳しい情報を見るためには、利用者の包括同意が必要になります。
包括同意とは?ケアマネジャーが知っておきたいポイント
包括同意とは、利用者が、
「自分に関係する介護事業所が、要介護認定情報、ケアプラン情報、LIFE情報などを参照すること」
について同意する仕組みです。
一度包括同意を取得すると、要介護認定期間中は、介護事業所ごとに情報参照の同意をその都度取得する必要はないとされています。
ここは現場で非常に重要です。
「利用者から毎回同意書を取るの?」
という疑問を持つ方もいると思いますが、今回の説明会資料では、包括同意が一度取得されれば、要介護認定期間中は事業所ごとの都度の同意取得は不要と説明されています。
包括同意は誰から、いつ取得する?
包括同意の取得方法は、利用者の状況によって異なります。
新しく要介護・要支援認定を申請する場合
要介護・要支援認定の申請時に、自治体が包括同意を取得します。
令和8年4月1日から、要介護・要支援認定申請書が変更され、同意欄が設けられています。
すでに要介護・要支援認定を受けている利用者の場合
すでに介護サービスを利用している方については、2つの方法が示されています。
1つ目は、次回の要介護認定申請時や利用者から個別の申し出があったときに、自治体が同意を取得する方法です。
2つ目は、居宅介護支援事業所や施設・居住系サービスなどの介護事業所が、介護WEBサービスを使って同意を取得する方法です。
したがって、既存利用者について、
「全員から今すぐ一斉に包括同意を取り直す」
という単純な話ではありません。
利用者の状況と自治体の運用を確認しながら進めることが重要です。
介護保険でもマイナンバーカードを利用できるようになる
今回の介護情報基盤では、介護保険についてもマイナンバーカードを利用した本人確認が可能になります。
健康保険証としてマイナンバーカードを利用している被保険者については、介護情報基盤への初期セットアップ後、介護保険証としても利用できる状態になると説明されています。
ただし、ケアマネジャーが利用者の情報を見る場合には、マイナンバーカードを使う方法だけではなく、介護保険被保険者証の4情報を入力する方法も示されています。
そのため、
「利用者全員にマイナンバーカードを持ってきてもらわなければならない」
という制度ではありません。
マイナンバーカードによる本人確認には24時間の注意点がある
マイナンバーカード認証を利用した場合、本人確認後、24時間以内に利用者一覧画面を開く必要があるとされています。
また、本人確認は一定期間有効で、利用者のレセプト発生を検知することで有効期間が延長される仕組みも示されています。
ケアマネジャーが実際の業務で利用する際には、
「本人確認をしたら、その後いつまでに何をするのか」
という事業所内の手順を決めておくことが重要になります。
介護WEBサービスを利用するために必要な準備
介護情報基盤を利用するためには、システム上の登録だけでなく、事業所側の端末などの準備も必要です。
説明会資料では、主な準備として次のものが示されています。
介護情報基盤の利用準備
- 介護情報基盤ポータルのユーザ登録
- 電子証明書等の準備
- 介護WEBサービスを利用する端末の準備
- カードリーダーの準備
- マイナ資格確認アプリの準備
- 介護WEBサービスでの認証・ログイン
- 管理者ユーザの登録
- 必要に応じて一般ユーザの登録
特に、利用者のマイナンバーカードを使って本人確認をする場合には、カードリーダーが必要になります。
介護情報基盤の導入には助成金がある
介護情報基盤の導入については、介護事業所や医療機関を対象とした助成制度があります。
令和8年度の申請受付期間は、
令和8年5月7日から令和9年3月12日まで(予定)
とされています。
ただし、予算には限りがあるとされているため、利用を考えている事業所は早めに確認することが重要です。
介護事業所の主な助成対象
介護事業所・医療機関については、
- カードリーダーの購入経費
- 介護情報基盤との接続サポート等の経費
が助成対象として示されています。
接続サポートには、介護WEBサービスを利用するための端末設定など、技術的な支援を受ける場合の費用も含まれます。
また、介護情報基盤の接続サポートとケアプランデータ連携システムの接続サポートを一体的に受ける場合、その費用も助成対象となることが示されています。
介護情報基盤の助成限度額はサービス種別で異なる
介護事業所・医療機関の助成限度額は、サービス種別によって異なります。
厚生労働省資料では、カードリーダーと接続サポート等を合わせた助成限度額について、
- 訪問・通所・短期滞在系:6.4万円まで、カードリーダー3台まで
- 居住・入所系:5.5万円まで、カードリーダー2台まで
- その他:4.2万円まで、カードリーダー1台まで
とされています。消費税分も助成対象です。
なお、実際に申請する場合は、最新の介護情報基盤ポータルの案内を確認してください。
ケアプランデータ連携システムの利用料はどうなる?
現在のケアプランデータ連携システムは、本来年額21,000円の利用料が設定されていますが、フリーパスキャンペーンの延長により令和8年度中は無料とされています。
さらに、介護WEBサービスへ移行した後は、ケアプランデータ連携機能が介護WEBサービスの一機能となるため、事業所が直接負担する利用料は発生しないと厚生労働省が案内しています。
つまり、
令和9年1月以降の介護WEBサービスへの移行後、ケアプランデータ連携について新たな利用料を支払う仕組みにはならない
という点は、事業所にとって大きなポイントです。
介護WEBサービスではケアプランデータ連携も便利になる
今回の移行は、単に「場所が変わる」だけではありません。
説明会では、現在の機能を引き継ぎながら、より使いやすくなる予定と説明されています。
例えば、
- データのダウンロードが何度でも可能
- パスワード入力が簡単になる
- 複数端末での利用が可能になる
- 画面操作性が向上する
といった改善が示されています。
ケアマネジャーが今からやっておきたいこと
今回の説明会を、ケアマネジャーの実務に置き換えると、まず次の順番で確認しておくと分かりやすいでしょう。
1.自分の事業所がケアプランデータ連携システムを使っているか確認
まず、
「現在、ケアプランデータ連携システムを利用しているのか」
を確認します。
利用している場合と、利用していない場合では必要な準備が違います。
2.介護WEBサービスへの登録状況を確認
すでに登録済みなのか、まだ登録していないのかを確認します。
まだ登録していない場合は、早めに登録を進めます。
3.電子請求受付システムのID・パスワードを確認
介護WEBサービスの登録に必要となるため、事業所で管理している情報を確認します。
4.介護情報基盤を利用するための端末環境を確認
介護WEBサービスを利用するパソコン等、電子証明書、カードリーダー、マイナ資格確認アプリなどの準備状況を確認します。
5.事業所内の役割分担を決める
ケアマネジャー全員がそれぞれバラバラに操作するのではなく、
- 登録担当者
- 管理者
- 本人確認を担当する職員
- 情報確認を担当する職員
- ケアプランデータを送受信する担当者
など、事業所の規模に合わせて役割を決めておくとスムーズです。
厚生労働省の説明会資料でも、ケアプランデータ連携について、送受信のタイミング、担当者、システム確認のタイミングを決め、手順書を作成するなどの工夫が紹介されています。
ケアプランデータ連携システムの導入は「登録して終わり」ではない
今回の説明会で見落としたくないのが、この点です。
システムを導入するだけでは、業務改善にはつながりません。
例えば居宅介護支援事業所なら、
「いつまでにケアプランの予定を入力するのか」
「誰が送信するのか」
「サービス事業所から届いた実績をいつ確認するのか」
「エラーが出た場合は誰が対応するのか」
などを決めておく必要があります。
厚生労働省も、導入初期には業務手順の変更が必要になり、最初は事務効率が悪くなる場合があると説明しています。
したがって、ケアマネジャー個人の努力だけで対応するのではなく、事業所として業務手順を決めることが重要です。
介護情報基盤の利用開始日は市町村ごとに確認する
介護情報基盤を利用するためには、原則として市町村がシステム改修を完了し、利用開始日を迎えている必要があります。
市町村ごとの利用開始日は、介護情報基盤ポータルの「市町村(保険者)の対応状況」で確認できるとされています。
ケアマネジャーは、自分の事業所が関係する保険者の利用開始日を確認しておくとよいでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、
ケアプランデータ連携機能については、市町村の介護情報基盤の利用開始日前から利用可能
と説明されています。
ここは「介護情報基盤全体」と「ケアプランデータ連携機能」を分けて考えることが大切です。
今回の説明会でケアマネジャーが特に注意したい5つのポイント
今回の説明会をケアマネジャー目線でまとめると、特に重要なのは次の5点です。
① 令和9年1月予定の「介護WEBサービスへの移行」
現在のケアプランデータ連携システムは、そのまま永久に使うものではありません。
介護WEBサービスへの統合に向けて、早めの登録が求められています。
② 市町村の開始を待たずに移行準備を進める
自治体の介護情報基盤の利用開始時期に関係なく、ケアプランデータ連携システムの移行準備は必要です。
③ 「本人確認」と「包括同意」は別
本人確認だけではなく、利用者の情報参照には包括同意も必要です。
この2つを混同しないことが重要です。
④ ケアマネジャーの業務そのものが変わる
資格情報、認定情報、認定進捗、認定関連書類、住宅改修・福祉用具購入費の利用状況、居宅サービス計画作成依頼届出など、現在電話・郵送・窓口で行っている業務の一部が電子化されます。
⑤ 事業所として準備する
最も重要なのは、
「システムを入れること」ではなく「仕事のやり方を決めること」
です。
誰が何をするのかを事業所内で決めておけば、移行後の混乱を減らせます。
まとめ|ケアマネジャーは今のうちに「登録・端末・同意・業務手順」を確認
今回の厚生労働省の説明会で示された内容は、介護の仕事をすべて一度にデジタル化するというものではありません。
しかし、ケアマネジャーの実務に関係する部分はかなりあります。
特に重要なのは、
ケアプランデータ連携システムが令和9年1月予定で介護WEBサービスへ移行すること。
そして、
介護情報基盤によって、資格情報、要介護認定情報、認定進捗、認定関連書類、住宅改修・福祉用具購入費の利用状況などを介護WEBサービスから確認できるようになること。
さらに、
利用者情報を参照するためには、本人確認と包括同意が必要になること。
この3点です。
今の段階でケアマネジャーがやるべきことは、まず事業所の状況を確認することです。
「ケアプランデータ連携システムを利用しているか」
「介護WEBサービスに登録済みか」
「電子請求受付システムのID・パスワードを確認できるか」
「介護WEBサービスを利用する端末を準備できるか」
「カードリーダーやマイナ資格確認アプリの準備が必要か」
「本人確認や包括同意をどのように事業所の業務へ組み込むか」
を順番に確認しておくとよいでしょう。
令和9年1月の移行直前になって慌てるのではなく、令和8年中に少しずつ準備を進めておくことが、今回の説明会からケアマネジャーが押さえておきたいポイントです。
参考・引用資料
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1529 ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について」令和8年7月29日。
- 厚生労働省「ケアプランデータ連携システムの統合と介護情報基盤(介護保険資格確認等WEBサービス)について」令和8年8月説明会資料。
- 厚生労働省「令和8年度における介護情報基盤の活用のための介護事業所等への支援について」令和8年4月28日。
※この記事は厚生労働省の通知や説明会をわかりやすく整理したものです。 実際の判断や運用を行うときは、必ず厚生労働省が公表している正式な文章(通知・PDF)を確認してください。

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