居宅介護支援事業所の管理者要件 「常勤・専ら従事・兼務」の考え方を制度から解説

運営基準

指定居宅介護支援事業所の管理者要件と「常勤・専ら従事・兼務」の考え方【居宅介護支援 運営基準】

結論

指定居宅介護支援事業所の管理者は、原則として主任介護支援専門員で、専ら管理者の仕事に従事する常勤を置くことが求められています。 ただし、一定の条件を満たせば、介護支援専門員としての仕事や、他の事業所の仕事と兼務することも認められています。 また、主任介護支援専門員の確保が難しい場合などには、経過措置や特例があり、管理者を主任介護支援専門員以外の介護支援専門員とすることも可能です。

要点の整理(ポイント)

  • 管理者の基本要件
    • 主任介護支援専門員であること
    • 常勤であること
    • 原則として管理者の職務に専ら従事すること
  • 兼務が認められるケース
    • 同じ居宅介護支援事業所の介護支援専門員の仕事
    • 他の事業所(介護保険施設・病院・診療所・薬局など)の仕事
    • 管理に支障がなく、利用者からの申込みに対応できる体制が整っていることが条件
  • 兼務が難しい・望ましくないケース
    • 訪問系サービスで訪問そのものに長時間従事する場合
    • 事故や災害などの緊急時に、事業所や利用者宅にすぐ駆けつけられない体制
  • 常勤の考え方
    • 週32時間以上を基本とする勤務時間
    • 育児・介護・治療との両立支援がある場合は、週30時間でも常勤扱いが可能な場合あり
    • 非常勤を組み合わせて常勤換算することで、人員基準を満たすこともできる
  • 主任介護支援専門員を管理者とする要件の猶予・特例
    • 主任介護支援専門員の死亡・長期療養・急な退職などで確保が困難な場合
    • 特別地域居宅介護支援加算・中山間地域等小規模事業所加算を取得できる場合
    • 令和3年3月31日時点で主任介護支援専門員でない管理者がいる事業所は、令和9年3月31日まで要件適用を猶予
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居宅介護支援事業所の管理者の役割と基本要件【居宅介護支援 管理者】

管理者は主任介護支援専門員が原則

指定居宅介護支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員であることが基本です。 これは、居宅介護支援の質を高め、事業所全体の業務管理や人材育成を進めるために、一定の経験と研修を積んだ人が管理者になるべきだという考え方に基づいています。

管理者は「常勤」で「管理者の仕事を中心に行う人」

管理者には、次のような働き方が求められています。

  • 常勤であること
    • 事業所が定める常勤職員の勤務時間数(週32時間以上が基本)を満たすこと
    • 居宅介護支援以外の事業に従事している時間も含めて、同じ事業者の中での兼務が認められている場合に限り勤務時間を合算して考えることができます。
  • 専ら管理者の職務に従事すること(原則)
    • サービス提供時間帯を通して、他の仕事ではなく、管理者としての仕事を行うことが基本です。

ただし、後述するように、一定の条件を満たせば、介護支援専門員の仕事や他事業所の仕事との兼務も認められます。

「常勤」と「専らその職務に従事する」の具体的な意味【居宅介護支援 常勤 専らその職務】

「常勤」の定義と勤務時間の考え方

「常勤」とは、次のように考えます。

  • 勤務時間の基準
    • 事業所が定める常勤職員の勤務時間数に達していること
    • 週32時間を下回る場合でも、常勤の基準は週32時間を基本とします。
  • 他の事業との合算が可能な場合
    • 同じ事業者が運営する併設事業所の仕事で、居宅介護支援の仕事と同時並行で行っても差し支えない内容であれば、その勤務時間も含めて常勤時間としてカウントできます。
    • 例:同一法人が運営する訪問介護事業所の管理者と、居宅介護支援事業所の管理者を兼務している場合、両方の勤務時間を合わせて常勤要件を満たすことができます。
  • 育児・介護・治療との両立支援がある場合の特例
    • 母性健康管理措置、育児休業、介護休業、育児・介護・治療のための所定労働時間の短縮措置が講じられている職員については、事業所として利用者の処遇に支障がない体制が整っていれば、週30時間を常勤の勤務時間として扱うことができます。
  • 非常勤を組み合わせて常勤換算する考え方
    • 産前産後休業、育児休業、介護休業などで常勤職員が休業している期間は、必要な資格を持つ複数の非常勤職員を組み合わせて、常勤の員数に換算することで、人員基準を満たすことが認められています。

「専らその職務に従事する」の意味

「専らその職務に従事する」とは、原則として次のような状態を指します。

  • サービス提供時間帯を通じて、他の仕事ではなく、そのサービスに関する仕事を行っていること
  • 管理者の場合は、事業所の運営管理・職員の指揮命令・業務状況の把握など、管理者としての役割を中心に行っていること

ただし、後述のように、介護支援専門員の仕事や他事業所の仕事との兼務が認められる場合もあります。

管理者の兼務が認められるケースと認められないケース【居宅介護支援 管理者 兼務】

兼務が認められるケース

管理者は、次のような条件を満たせば、他の仕事と兼務することができます。

  • 居宅介護支援事業所の介護支援専門員の仕事との兼務
    • 同じ事業所で、管理者としての仕事と、介護支援専門員としてのケアマネジメント業務を兼務することができます。
    • この場合でも、事業所の営業時間中に、利用者からの申込みや相談に対応できる体制を整えておくことが必要です。
  • 他の事業所の仕事との兼務
    • 同一事業者が運営する他の事業所(介護保険施設、病院、診療所、薬局など)での仕事との兼務も認められます。
    • ただし、居宅介護支援事業所の管理に支障がないことが条件です。
  • 併設事業所の管理者や職員との兼務
    • 老人介護支援センターの職員
    • 訪問介護・訪問看護などの管理者 これらとの兼務は、原則として可能と考えられています。

兼務が難しい・認められないケース

一方で、次のような場合は、管理者の業務に支障があると考えられ、兼務は難しいとされています。

  • 訪問系サービスで訪問そのものに従事する時間が長い場合
    • 訪問介護や訪問看護などで、利用者宅への訪問に長時間従事する職員との兼務は、一般的には管理者の業務に支障があると考えられます。
    • ただし、訪問に従事する時間がごく限られている場合には、支障がないと認められることもあります。
  • 緊急時にすぐ駆けつけられない体制になっている場合
    • 事故発生時や災害時などの緊急時に、管理者自身が速やかに事業所や利用者宅に駆けつけることができない体制になっている場合は、管理者の業務に支障があると判断されます。
  • 介護保険施設の常勤専従の介護支援専門員との兼務
    • 介護保険施設で「常勤専従」の介護支援専門員として働いている人は、居宅介護支援事業所の管理者との兼務は認められていません。

管理者に求められる体制づくりと役割【居宅介護支援 管理者 役割】

営業時間中に利用者からの申込みに対応できる体制

管理者は、事業所の営業時間中に、次のような体制を整えておく必要があります。

  • 利用者や家族からの利用申込み・相談に、いつでも対応できること
  • 管理者が介護支援専門員の仕事などで事業所に不在となる場合でも、他の職員を通じて、利用者が管理者に連絡を取れるようにしておくこと

つまり、管理者が常に事業所に座っている必要はありませんが、「連絡がつく」「対応できる」体制を事業所として整えておくことが重要です。

管理者の具体的な役割

管理者には、次のような役割が求められています。

  • 介護保険法の基本理念を踏まえた、利用者本位の居宅介護支援の提供
  • 介護支援専門員など職員の管理
  • 利用申込みに関する調整
  • 業務の実施状況の把握
  • 指定基準を守るための指揮命令
  • 業務が適正に行われているかの確認
  • 従業者の資質向上のための研修や育成
  • 職員の健康管理や、働きやすい職場環境づくり(ワーク・ライフ・バランスの確保)

管理者は、単に「名義上の責任者」ではなく、事業所の運営全体を見渡し、利用者と職員の両方にとって安心できる環境をつくる役割を担っています。

主任介護支援専門員を管理者とする要件の猶予・特例【居宅介護支援 主任介護支援専門員 経過措置】

主任介護支援専門員の確保が難しい場合の特例

次のような、やむを得ない理由がある場合には、管理者を主任介護支援専門員ではなく、介護支援専門員とすることが認められています。

  • 不測の事態による主任介護支援専門員の不在
    • 本人の死亡
    • 長期療養など健康上の問題
    • 急な退職や転居 これらにより主任介護支援専門員を管理者とできなくなった場合、
    • 主任介護支援専門員を管理者とできなくなった理由
    • 今後の管理者確保のための計画書 を保険者に届け出ることで、1年間、主任介護支援専門員を管理者とする要件の適用が猶予されます。 また、当該地域に他の居宅介護支援事業所がないなど、利用者の確保の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断で猶予期間を延長することもできます。
  • 特別地域居宅介護支援加算・中山間地域等小規模事業所加算を取得できる場合
    • これらの加算を取得できる場合も、主任介護支援専門員の確保が難しい地域事情などを踏まえ、管理者を介護支援専門員とする取扱いが認められています。

令和9年3月31日までの経過措置

令和3年3月31日時点で、主任介護支援専門員ではない人が管理者である居宅介護支援事業所については、次のような経過措置があります。

  • 当該管理者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予
  • ただし、居宅介護支援事業所の業務管理や人材育成を進めるためには、経過措置の終了を待たずに、できるだけ早く主任介護支援専門員を管理者として配置することが望ましいとされています。

「事業所」の意味と居宅介護支援の本拠【居宅介護支援 事業所 定義】

「事業所」とは何を指すのか

ここでいう「事業所」とは、介護支援専門員が居宅介護支援を行う「本拠」のことです。

具体的には、次のような場所を指します。

  • 管理者がサービスの利用申込みの調整などを行う場所
  • 利用者ごとに作成する帳簿類(居宅サービス計画書など)を保管する場所
  • 利用者との面談・相談に必要な設備や備品を備えている場所

つまり、単に「机がある場所」ではなく、居宅介護支援の仕事を行うための拠点として機能している場所が「事業所」です。

引用・根拠となる通知・法令

  • 厚生労働省 「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(老企第22号)解釈通知」
  • 厚生省令第38号 「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(e-Gov法令検索)

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