【結論】
OTC類似薬とは「市販薬と成分や効能が類似する処方薬」のことで、制度改正により薬剤費の25%を追加負担とする方向で制度改正が進んでいます。
高齢者がよく使う薬(痛み止め・便秘薬・保湿剤など)が多く含まれるため、利用者の薬代が増える可能性が高いことがポイントです。
ケアマネは薬の判断はしませんが、負担増の影響を把握し、必要に応じて医療職につなぐ役割が求められます。
【要点まとめ】
- OTC類似薬は「市販薬と成分や効能が類似する処方薬」
- 対象は 77成分・約1,100品目とする案が示されている
- 追加負担は 薬剤費の25%
- 痛み止め・便秘薬・保湿剤など、日常的に使う薬が多い
- ケアマネは「判断」ではなく「影響把握」が役割
- 低所得者・難病・がん患者などは免除対象
- 受診控えが起きないよう、必要時は医師・薬剤師へつなぐ
OTC類似薬とは?制度改正で追加負担が発生する理由
OTC類似薬とは、市販薬(OTC)と成分が同じ処方薬のことです。
制度改正により、これらの薬を処方してもらうと、薬剤費の25%が「特別料金」として追加されます。
OTC類似薬の追加負担の仕組み
例:薬剤費1,000円(3割負担の場合)
現在:300円
改正後: 特別料金:250円
残り750円の3割:225円
合計:475円
「25%部分」は保険外の特別料金 残り75%に通常の保険負担(1〜3割)がかかる
慢性的に使う薬ほど、負担が積み重なりやすくなります。
OTC類似薬の対象となる薬一覧(高齢者にも使用頻度が高い薬が多く含まれる)(代表例)
解熱鎮痛薬(痛み止め)OTC類似薬
| 処方薬(病院) | 市販薬(ドラッグストア) | 主成分 |
|---|---|---|
| ロキソニン錠 | ロキソニンS | ロキソプロフェン |
| カロナール | タイレノールA、ラックル速溶錠 | アセトアミノフェン |
| ボルタレン錠 | ジクロフェナク外用薬(ボルタレンEXなど)※ | ジクロフェナク |
| モーラステープ | フェイタスZ、モーラスパップ | ケトプロフェン |
抗アレルギー薬(花粉症・鼻炎)OTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| アレグラ錠 | アレグラFX | フェキソフェナジン |
| クラリチン | クラリチンEX | ロラタジン |
| ジルテック | ストナリニZ、コンタックZ | セチリジン |
| アレロック | オロパタジン製剤(市販) | オロパタジン |
便秘薬のOTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| マグミット | 重カマ、酸化マグネシウムE便秘薬 | 酸化マグネシウム |
| ラキソベロン | ピコラックス、スルーラックS | ピコスルファート |
| ビサコジル錠 | コーラック | ビサコジル |
| センノシド錠 | センナ系便秘薬 | センノシド |
去痰薬(痰を切る薬)OTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| カルボシステイン錠 | ムコダイン系OTC | カルボシステイン |
| アンブロキソール錠 | アンブロキソール含有OTC製剤 | アンブロキソール |
| ブロムヘキシン | ブロムヘキシン製剤(市販) | ブロムヘキシン |
ステロイド外用薬のOTC類似薬
| 処方薬(病院) | 市販薬(ドラッグストア) | 主成分 |
|---|---|---|
| ロコイド軟膏 | コルチゾン系OTC | ヒドロコルチゾン |
| プレドニゾロン外用 | 市販のプレドニゾロン外用薬 | プレドニゾロン |
| デキサメタゾン軟膏 | デキサメタゾン外用薬(市販) | デキサメタゾン |
| リンデロンV | ベトネベートN軟膏AS | ベタメタゾン |
皮膚の保湿剤のOTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| ヒルドイド(ヘパリン類似物質) | ヒルマイルド、ヘパリン類似物質クリーム | ヘパリン類似物質 |
| 尿素クリーム(10〜20%) | ケラチナミン、ウレパール | 尿素 |
| 白色ワセリン | ワセリンHG | ワセリン |
| グリセリン系保湿剤 | グリセリン配合保湿剤 | グリセリン |
水虫薬(抗真菌薬)OTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| ラミシール | ラミシールAT | テルビナフィン |
| ルリコン | ブテナロックVα | ラノコナゾール |
| ニゾラール | ニゾラールOTC | ケトコナゾール |
| エンペシド | エンペシドL | ミコナゾール |
| ー | ピロエースW | クロトリマゾール |
口内炎治療薬のOTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| ケナログ | ケナログA(市販) | トリアムシノロン |
| アズレン製剤 | アズレンうがい薬 | アズレンスルホン酸 |
殺菌・消毒薬のOTC類似薬
| 処方薬 | 市販薬 | 主成分 |
|---|---|---|
| イソジン液 | イソジン(市販) | ポビドンヨード |
| クロルヘキシジン液 | クロルヘキシジン消毒薬 | クロルヘキシジン |
OTC類似薬の追加負担で起きやすい影響
制度改正により、以下のような影響が考えられます。
① 薬代が増える
特に慢性使用の薬(便秘薬・保湿剤・湿布など)は負担が大きくなりやすい。
② 受診控えが起きる可能性
「薬代が高くなるなら病院に行かない」というケースが増える可能性がある。
③ 免除対象の確認が必要
低所得者・難病・がん患者などへの配慮が検討されています
ケアマネが業務上注意すべきポイント
ケアマネは薬の選択や代替提案は行いません。
しかし、制度改正により利用者の生活に影響が出るため、情報として把握しておくことが必要です。
① 利用者の薬代がどれくらい増えるか把握する
アセスメントやモニタリングで、家計への影響を確認する。
② 受診控えのリスクを見逃さない
薬代が理由で受診をやめると、病状悪化につながる可能性がある。
必要に応じて、
- 医師
- 薬剤師
へつなぐ。
③ 免除対象の確認
不要な負担増が起きないよう、制度の対象者を把握しておく。
まとめ:OTC類似薬の制度改正は利用者の生活に直結する
OTC類似薬の追加負担は、日常的に使う薬が多いため、利用者の生活に直接影響する制度改正です。
ケアマネは薬の判断はしませんが、
- 負担増の把握
- 受診控えのリスク確認
- 医療職へのつなぎ
が求められます。
制度改正の内容を正しく理解し、利用者・家族が安心して生活できるよう支援していきましょう。
※実際の対象薬や免除範囲、開始時期などは、今後の法改正・政令・通知等で変更される可能性があります。

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