
介護保険認定調査なんじゃろ?調査って聞くと怖いね。何を聞かれるの?

認定調査とは、介護保険の認定を決めるための聞き取り調査です。何も緊張しなくてもいいですよ。普段の日常生活状況を聞かれるだけです。いつもより張り切って頑張る方もいらっしゃいますが、あくまでも日常の生活を確認しに来られます。

安心したよ。でも時間が長くかかると疲れるね。どれぐらいの時間がかかるの?

1時間ぐらいです。疲れやすい方などは横になったまま受けていただいてもかまいません。無理されなくても大丈夫です。
- 結論:認定調査は「できる・できない」だけでなく「どれだけ他者の手がかかっているか」を見ています
- 介護認定調査とは?家族にとっての「入り口」のようなもの
- 認定調査は「本人主体」で進むけれど、家族の声もとても大切
- 認定調査は「どれだけ手がかかっているか」を見ていると感じます
- トイレの例:自分でパンツを替えられるかどうかで評価が変わる
- 認知症の例:理解力が低下していても「工夫して一人暮らし」ができていると自立と見なされることも
- 認定調査は全国共通の仕組みだけれど、実際には市区町村で差もあります
- 家族として認定調査のときに意識しておきたいポイント
- まとめ:認定調査は「家族の大変さ」をきちんと伝える場でもあります
- 参考・引用資料
結論:認定調査は「できる・できない」だけでなく「どれだけ他者の手がかかっているか」を見ています
まず最初にお伝えしたいことです。
- 介護認定調査は、「どれだけできないか」だけを測るものではない
- 実際には、「どれだけ家族や周りの人の手がかかっているか」 を見ていると感じます
- 調査は原則として本人への聞き取りが中心ですが、家族の話もとても重要です 厚生労働省
- 特に、トイレのことや認知症の様子は、本人が隠してしまうことも多いため、家族がしっかり伝える必要があります
- 認定調査は全国共通の仕組みですが、実際の運用には市区町村ごとの違いもあるのが現実です
この記事は、ケアマネジャーとしての私の経験から感じていることをもとにした説明です。
公式な基準とは異なる部分がある可能性があることも、あらかじめお伝えしておきます。
介護認定調査とは?家族にとっての「入り口」のようなもの
介護認定調査は、介護保険サービスを使うためのスタート地点
- 介護保険サービスを利用するには、まず要介護認定・要支援認定を受ける必要があります
- 市区町村に申請すると、認定調査員が自宅や施設に来て、心身の状態を聞き取り・確認します 厚生労働省
- 調査結果と主治医意見書などをもとに、要介護度(要支援1〜2、要介護1〜5など)が決まります
認定調査で見ている主な内容
厚生労働省の「認定調査票記入の手引き」では、認定調査票は次のような項目で構成されています 厚生労働省。
- 身体の動き(寝返り・起き上がり・立つ・歩く など)
- 生活の動作(移動・食事・トイレ・着替え・洗顔 など)
- 認知機能(物忘れ・場所や時間の理解・徘徊 など)
- 精神・行動の様子(大声・介護への抵抗・落ち着きのなさ など)
- 社会生活への適応(お金の管理・薬の管理・買い物・調理 など)
- 特別な医療(点滴・酸素・ストーマ・経管栄養 など)
- 日常生活自立度(どのくらい自立して生活できているか)
認定調査は「本人主体」で進むけれど、家族の声もとても大切
寝たきり・認知症でも、まずは本人に聞くのが基本
- 認定調査は、できるだけ本人から話を聞くことが原則とされています 厚生労働省
- 寝たきりの方や、認知症で意思疎通が難しい方でも、
- 調査員は、表情・反応・動きなども含めて、できる範囲で本人の様子を見ます
- そのうえで、家族や介護している人からも話を聞くことになっています
家族の意見が特に重要になる場面
とくに、次のようなことは本人だけでは正確に伝わりにくいため、家族の説明がとても大切です。
- トイレの失敗の頻度や、後片付けの大変さ
- 夜間のトイレや徘徊、見守りの負担
- 認知症による物忘れ・同じ話の繰り返し・火の不始末など
- 一人にしておくと心配な場面(ガス・火・外出・お金の管理など)
本人は「大丈夫です」「できます」と言ってしまうことが多く、
実際の大変さが伝わらないことがよくあります。
認定調査は「どれだけ手がかかっているか」を見ていると感じます
「できるかどうか」ではなく「どれだけ手助けが必要か」
私の経験上、認定調査は、
- 「できる・できない」だけを見るのではなく
- 「どれだけ他者の手がかかっているか」
- 「どれだけ見守りや介助が必要か」
を、全体として見ているように感じます。
これは、厚労省の手引きでも、
「できる」「見守り等」「一部介助」「全介助」など、段階的に評価するとされていることからも分かります
トイレの例:自分でパンツを替えられるかどうかで評価が変わる
トイレで失敗しても「自分で片付けられる」なら自立と見なされることも
私の現場での感覚では、次のような違いがあります。
- トイレで失敗しても、自分でリハビリパンツを脱ぎ、汚れたものを片付け、新しいものをはける
- この場合、調査上は「自立」と判断されることがあります
- トイレで失敗したあと、リハビリパンツの交換や掃除を家族がしないといけない
- この場合は、「一部介助」など、介助が必要な状態として評価されることが多い
つまり、
「失敗するかどうか」よりも、
「失敗したときに、自分でどこまで対応できるか」
が、評価に大きく関わっているように感じます。
認知症の例:理解力が低下していても「工夫して一人暮らし」ができていると自立と見なされることも
認知症でも「何とか生活できている」場合の評価
認知症で、
- 短期記憶がほとんど残っていない
- 話の内容がかみ合いにくい
といった状態でも、
- 周りの人の支えや工夫(配食サービス・見守り・訪問など)を使いながら
- 一人暮らしを何とか続けている
という場合、認定調査では、
- 「日常生活は自立している」と判断されることもあります
これは、認知症高齢者の日常生活自立度の基準でも、
「日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立している」といった表現が使われていることと通じる部分があります。
認定調査は全国共通の仕組みだけれど、実際には市区町村で差もあります
仕組みは全国共通、でも運用には違いがある
- 認定調査票や調査項目は、全国共通の様式と手引きに基づいています 厚生労働省
- しかし、
- 調査員の経験
- 市区町村ごとの運用の違い
- 認定審査会での判断の傾向
などにより、同じような状態でも結果に差が出ることがあるのが現実です。
そのため、
「この状態なら必ずこの要介護度になる」
と言い切ることはできません。
この記事の内容も、あくまでケアマネとしての私の経験と主観であり、
すべての地域・すべてのケースに当てはまるわけではないことをご理解ください。
家族として認定調査のときに意識しておきたいポイント
家族がしっかり伝えたほうがよいこと
- トイレの失敗の頻度と、その後の片付けの手間
- 夜間のトイレ・徘徊・見守りの負担
- 火の元・ガス・コンロなどの危険な場面
- お金の管理・薬の管理が一人でできているかどうか
- 一人にしておくと心配な時間帯や場面
伝えるときのコツ
- 「たまに」「時々」ではなく、
- 「週に〇回くらい」
- 「ほぼ毎日」
など、回数や頻度をできるだけ具体的に伝える
- 「大変です」だけでなく、
- 「夜中に3回起きてトイレに付き添っています」
- 「失敗のたびに、シーツとパジャマを洗っています」
など、具体的な場面をイメージできるように話す
まとめ:認定調査は「家族の大変さ」をきちんと伝える場でもあります
- 認定調査は、本人の状態だけでなく、家族や周りの人の負担も含めて見る仕組みだと考えると分かりやすいです
- 本人が「大丈夫」と言ってしまう部分こそ、家族が勇気を出して具体的に伝えることが大切です
- トイレ・認知症・夜間の見守り・火の元・お金や薬の管理など、
「本当は心配していること」 をそのまま話してかまいません - 認定結果は、その後のサービス量や支援の内容に大きく関わります
→ 遠慮せず、現実の大変さをそのまま伝えることが、結果的にご本人と家族を守ることにつながります
参考・引用資料
- 厚生労働省「要介護認定における『認定調査票記入の手引き』等について」 厚生労働省
※本記事の内容は、上記の公的資料に加え、ケアマネジャーとしての私自身の経験と主観に基づいています。
実際の認定調査や判定は、市区町村や個別の状況によって異なる場合があります。


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