結論:介護保険では「かかりつけ医」がとても大事な味方になります
まず一番伝えたいことを先にまとめます。
- 介護保険を使うとき、主治医(かかりつけ医)の存在はとても大きな支えになります
- 要介護認定には、主治医意見書という「先生からの診断書のようなもの」が必ず使われます
- 主治医がいない場合でも、市区町村が病院を指定してくれるので心配はいりません
- リハビリや訪問看護などの医療系サービスは、主治医の指示や意見が必要になります
- ケアマネは「先生」ではなく、利用者と家族の希望をもとに一緒に考える調整役です
この記事の内容は、ケアマネジャーとしての私の経験と主観に基づいています。 制度の仕組みは公的資料を参考にしつつ、現場で感じていることを交えてお話しします。
介護保険とかかりつけ医の関係|かかりつけ医は大きな「強み」になる
介護保険における「かかりつけ医・主治医」の位置づけ
介護保険では、要介護認定を行うときに、
- 認定調査(市区町村の調査員による聞き取り)
- 主治医意見書(主治医が書く医療的な意見書)
の両方をもとに、介護認定審査会が要介護度を決めます。
主治医意見書は、
- どんな病気があるのか
- その病気が生活にどんな影響を与えているか
- 介護の手間がどのくらいかかりそうか
などを、医師の立場からまとめた、とても重要な書類です。
かかりつけ医がいること自体が「ストレングス(強み)」
ケアマネの目線で見ると、
- かかりつけ医がいるだけで、その人の大きな強み(ストレングス)になります
- 特に、地域のクリニックの先生は、
- 何年も前から本人を診ている
- 家族構成や生活の様子も知っている ことが多く、生活に密着した存在です
大きな病院の先生ももちろん大切ですが、
- 介護支援の調整のしやすさ
- ちょっとした相談のしやすさ
という点では、クリニックのかかりつけ医がいると、とても心強いと感じます。
会話でイメージする「主治医意見書」とかかりつけ医
おじいちゃんとケアマネの会話

足がたたなくなったよ。トイレ行くのに困る。介護保険申請してもらおうか。

おじいちゃん、かかりつけの病院はございますか?
認定を受けるには必ず主治医意見書が必要になりますよ!

ケアマネジャーさん。何の呪文です?主治医意見書って何ですか?主治医って・・・足が悪いぐらいで、医者にかかるのは、風邪をひいたときぐらいだけど・・

介護保険を申請するには、かかりつけの先生の医療的な情報が必要なのです。それに、これから介護サービスを受けるにも、主治医って大切です。

でも主治医なんて、いないな。どうしたらいいだろうか・・・
このように、介護保険の申請と主治医意見書はセットで考える必要があります。
介護保険申請と主治医意見書|主治医がいない場合はどうなる?
介護保険申請には主治医意見書が必要
介護保険を申請するとき、
- 申請書に「主治医(かかりつけ医)の名前」を書く
- 市区町村がその先生に主治医意見書の作成を依頼する
という流れが一般的です。
多くの方は、何かしらの病気で病院やクリニックに通っているため、 その先生が主治医になります。
「主治医がいない」場合でも大丈夫
中には、
- 「今はどこの病院にもかかっていない」
- 「風邪をひいたときに行く病院はあるけれど、決まった先生はいない」
という方もいます。
その場合でも、心配はいりません。
- 市区町村(保険者)が、主治医意見書を書いてもらう病院を指定してくれます
- 指定された病院を受診すれば、そこで主治医意見書を作成してもらえます
「主治医がいないから介護保険が使えない」ということはありません。
かかりつけ医・主治医が介護保険で担う大事な役割
主治医にお願いすることは「意見を求めること」
ケアマネの立場から見ると、主治医にお願いすることは、
- 「意見を求めること」
です。
介護保険の中には、
- 訪問リハビリテーション(訪問リハビリ)
- 訪問看護
など、医療と深く関わるサービスがあります。
これらのサービスは、
- 主治医の指示書
- 主治医の許可・意見
が必要になることが多いです。
主治医の意見がサービス内容に影響することも
例えば、
- 主治医が「リハビリが必要だから、訪問リハビリで筋肉をほぐして痛みを和らげてほしい」と言えば、
- ケアマネが「そこまで必要ないかも」と感じていても、その意見を無視して進めることはできません
それくらい、主治医の意見は重みがあるということです。
だからこそ、
- 利用者さんにとっても
- 家族にとっても
主治医と良い関係を作っておくことは、とても大きなプラスになります。
クリニックの先生は「生活に寄り添う社会資源」
クリニックのかかりつけ医の強み
地域のクリニックの先生は、
- 何年も前から本人を診ている
- 生活の変化や家族の状況も知っている
ことが多く、
「医療機関」というより、 生活に寄り添う社会資源の一つ
と感じることもあります。
介護支援のしやすさという点では、
- 大きな病院の先生よりも
- クリニックの先生のほうが、
相談や連携がスムーズに進むことが多いのが実感です。
ケアマネは「先生」ではなく、利用者主体で一緒に考える人
ケアマネジャーは指示を出す立場ではない
ときどき、高齢の方から
「ケアマネジャーの先生」
と呼ばれることがあります。
そう感じてしまうのも無理はありませんが、 本来、ケアマネジャーは「先生」ではありません。
- 介護保険の仕組みの中で
- 利用者と家族の希望を聞きながら
- 必要なサービスや事業所を一緒に考え、調整する役割
を担っています。
ケアマネには、
- 「このサービスを必ず使いなさい」
- 「この事業所にしなさい」
と命令する権限はありません。
良いケアマネとの関係とは
良いケアマネは、
- 問題や困りごとを一緒に整理してくれる
- いくつかの選択肢を提案してくれる
- その中から、利用者と家族が納得して選べるように支えてくれる
そんな存在だと思っています。
「こうしなくちゃいけない」と一方的に決めつけるのではなく、 同意のもとに調整してくれるケアマネに出会えることを、心から願っています。
まとめ|かかりつけ医とケアマネは、介護保険の心強いパートナー
- 介護保険では、主治医意見書と認定調査をもとに要介護度が決まるため、かかりつけ医はとても重要な存在です
- 主治医がいなくても、市区町村が病院を指定してくれるので、介護保険の申請をあきらめる必要はありません
- リハビリや訪問看護など、医療と関わるサービスには、主治医の指示や意見が欠かせません
- クリニックの先生は、生活に寄り添う「社会資源」として、介護支援の大きな味方になります
- ケアマネは「先生」ではなく、利用者主体で一緒に考え、調整するパートナーです
これからも、皆さまの良い老後を応援しています。 楽して楽しく介護をしていきましょう。
参考・引用資料
- 厚生労働省「要介護認定における『認定調査票記入の手引き』『主治医意見書記入の手引き』及び『特定疾病にかかる診断基準』について」別添2「主治医意見書記入の手引き」
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1441 主治医意見書の取扱いについて」
※本記事の内容は、上記公的資料に加え、ケアマネジャーとしての私の経験と主観に基づいています。 実際の運用や対応は、市区町村や医療機関によって異なる場合があります。


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