― ケアマネはどう動き、家族や後見人は何を担うのか ―
成年後見制度を利用している方の支援では、 本人・家族・成年後見人・ケアマネの4者がそれぞれ異なる役割を持っています。
本人・家族・成年後見人・ケアマネの4者がそれぞれ異なる役割を持っています。
しかし、実務では「誰に何を頼めばいいのか」「どこまでがケアマネの仕事か」で迷う場面が多いものです。
この記事では、4者の役割を整理しつつ、
ケアマネが実際にどう動けばよいのかを、具体例を交えてわかりやすくまとめます。
🧩 成年後見制度利用時の4者の役割
まずは、4者が何をできて、何ができないのかを整理します。
1. 本人(利用者)
できること
- 自分の生活の希望を伝える
- サービス利用の感想を伝える(モニタリングの中心)
- 医療行為の同意(判断能力がある場合)
- 日常生活のセルフケア
できないこと
- 契約行為(介護サービス契約・施設入所契約など)
- 金銭管理
- 介護保険証の管理
2. 家族
できること
- 本人の生活状況・価値観の代弁
- 通院や入院の付き添い
- 日常の見守り
- 緊急時の連絡協力
できないこと
- 契約行為の代理
- 医療同意の法的代理人
3. 成年後見人(後見・保佐・補助)
できること
- 財産管理(預金・支払い・年金管理)
- 介護サービス契約・施設入所契約の代理
- 介護保険証の管理
- 医療機関からの説明を受ける(事実確認)
- 本人の意思決定支援
できないこと
- 医療行為の同意
- 身元保証人
- 死亡後の手続き(葬儀・遺品整理など)
4. ケアマネジャー
できること
- 本人の意思を引き出し、ケアプランに反映
- 家族・後見人・医療機関との連携調整
- サービス担当者会議の開催
- モニタリング
- 緊急時の連絡体制づくり
できないこと
- 医療同意
- 契約行為の代理
- 金銭管理
- 身元保証人
🏥 緊急時(手術・生命危機)の役割まとめ
| 役割 | 手術の同意 | 説明を受ける | 判断材料として |
|---|---|---|---|
| 本人 | 判断能力があれば本人 | 受ける | 最優先 |
| 家族 | 法的権限なし | 受ける | 本人の価値観を伝える |
| 後見人 | できない | 受ける(事実確認) | 法的代理人として情報共有 |
| ケアマネ | できない | 共有を受ける | 調整役 |
🧭 ケアマネが押さえるべき3つのポイント
- 本人の意思が最優先
- 家族は生活の代弁者、後見人は法的代理人
- ケアマネは4者をつなぐ調整役
📝 実務で迷わない!ケアマネの動き方を場面別に解説
🚑 例①:病院に搬送されたとき、誰に何を連絡する?
① 成年後見人へ(最優先)
伝える内容
- 搬送された事実
- 搬送先の病院名
- 症状・状況
- 医師から説明がある可能性
- 入院契約・支払いが必要になること
👉 後見人は法的代理人。
👉 医療同意はできないが、説明を受ける義務がある。
② 家族へ(次に重要)
伝える内容
- 搬送された事実
- 病院名
- 本人の価値観を医療側に伝えてもらう必要性
- 付き添いが可能かどうか
👉 家族は本人の価値観を知る存在。
③ 医療機関へ(ケアマネから)
伝える内容
- 成年後見人がついていること
- 後見人は医療同意できないこと
- 家族の連絡先
- 本人の生活状況・既往歴(わかる範囲で)
👉 医療側の誤解(後見人に手術同意を求める等)を防ぐ。
④ 本人への対応
- 不安の軽減
- 状況説明
- 意思確認(可能な範囲で)
🧭 まとめ:搬送時の連絡優先順位
| 相手 | 優先度 | 連絡内容 |
|---|---|---|
| 成年後見人 | ★★★ | 搬送事実、病院名、状況、説明予定、入院手続き |
| 家族 | ★★☆ | 搬送事実、病院名、価値観の共有、付き添い依頼 |
| 医療機関 | ★★☆ | 後見人の存在、医療同意不可、家族連絡先 |
| 本人 | ★☆☆ | 不安軽減、状況説明、意思確認 |
🧩 例②:ADLが低下し、デイサービスの追加利用が必要になった場合
ケアマネが迷いやすい場面ですが、流れはシンプルです。
① 本人への確認(最優先)
- 最近の体調
- 困りごと
- デイ追加利用への気持ち
- 不安や希望
👉 成年後見制度があっても、本人の意思が中心。
② 家族への情報共有と意見聴取
- ADL低下の状況
- 家族が見ている生活の変化
- 家族ができる支援範囲
👉 家族は生活の代弁者。
③ 成年後見人への連絡(契約・費用の窓口)
- ADL低下の事実
- デイ追加利用の必要性
- 本人の希望
- 家族の意見
- 費用の見込み
- 契約手続きが必要になること
👉 後見人は契約・支払いの担当。
④ サービス担当者会議の開催
- 本人の意思を中心に説明
- 家族の意見を共有
- 後見人に契約手続きの流れを確認
- 事業所と利用枠の調整
⑤ ケアプランの変更
本人
- 内容説明
- 意思確認
後見人
- ケアプラン同意(署名)
- 契約手続き
- 支払い調整
🧭 まとめ:デイ追加利用時の関係者への対応
| 相手 | ケアマネが行うこと |
|---|---|
| 本人 | 困りごと確認、希望確認、説明、意思確認 |
| 家族 | 状況共有、生活情報の聴取、協力依頼 |
| 成年後見人 | 必要性説明、契約依頼、費用説明 |
| 事業所 | 利用枠調整、担当者会議設定 |
| 医療・他職種 | ADL低下の背景確認 |
🌱 最後に:ケアマネは「調整役」
成年後見制度が入ると、関係者が増えて複雑に見えますが、
ケアマネが押さえるべきポイントはたった3つです。
- 本人の意思を最大限引き出す
- 家族と後見人の役割を整理して伝える
- 医療・介護・後見人の間をつなぐ調整役になる
この3つを意識すれば、成年後見制度の利用者でも迷わずケアマネジメントができます。

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