🟦 介護保険最新情報 Vol.1481
居住費・滞在費の負担限度額「何がどう変わるのか」比較表
(令和8年8月1日施行)
🟧 1. 改正の目的(超要約)
「負担能力に応じた負担を図るため、特定入所者介護サービス費(補足給付)の支給額を見直す」
(添付文書より)
つまり、
低所得者の居住費・滞在費の“負担限度額”が見直され、段階ごとに金額が変わる
という改正です。
🟦 2. 変更点を一目で比較(旧 → 新)
🔍 ※金額はすべて「1日あたり」の負担限度額
(ショートステイは【】内の金額)
🟩【ユニット型個室】
| 区分 | 改正前 | 改正後 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 | 変更なし |
| 第2段階 | 600円 | 390円 | 負担軽減(減額) |
| 第3段階① | 1,030円 | 680円 | 負担軽減(減額) |
| 第3段階② | 1,360円 | 1,420円 | 負担増(増額) |
| 第4段階(課税) | 1,370円 → 1,470円 | 負担増(増額) |
🟩【ユニット型個室的多床室】
| 区分 | 改正前 | 改正後 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 | 変更なし |
| 第2段階 | 600円 | 390円 | 減額 |
| 第3段階① | 1,030円 | 680円 | 減額 |
| 第3段階② | 1,360円 | 1,420円 | 増額 |
| 第4段階 | 1,370円 → 1,470円 | 増額 |
🟩【従来型個室(特養)】
| 区分 | 改正前 | 改正後 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 380円 | 380円 | 変更なし |
| 第2段階 | 480円 | 480円 | 変更なし |
| 第3段階① | 880円 | 880円 | 変更なし |
| 第3段階② | 1,370円 | 1,470円 | 増額 |
🟩【従来型個室(老健・医療院)】
| 区分 | 改正前 | 改正後 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 380円 | 380円 | 変更なし |
| 第2段階 | 480円 | 480円 | 変更なし |
| 第3段階① | 880円 | 880円 | 変更なし |
| 第3段階② | 1,370円 | 1,470円 | 増額 |
🟩【多床室(特養・老健・医療院)】
※多床室はほぼ据え置き
| 区分 | 改正前 | 改正後 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 全段階 | 430円 | 430円 | 変更なし |
🟦 3. 変更の特徴(わかりやすく)
✔ 第1段階(生活保護等)
→ 据え置き(変更なし)
✔ 第2段階(市町村民税非課税・年金収入少ない層)
→ 負担が軽くなる(減額)
✔ 第3段階①(非課税・やや収入あり)
→ 負担が軽くなる(減額)
✔ 第3段階②(非課税だが収入が多い層)
→ 負担が増える(増額)
✔ 第4段階(課税者)
→ 負担が増える(増額)
🟧 4. 一言でまとめると
低所得者(第1〜第3段階①)は負担が軽くなる。
収入が多い層(第3段階②・課税者)は負担が増える。
これが今回の改正の本質です。
🟦 なぜ「ユニット型の低所得層」だけメリットが大きくなったのか
結論:
ユニット型個室の“基準費用額(実際のコスト)が高いのに、低所得者の負担限度額が追いついていなかったため、補足給付の公平性を整える必要があったから。
🟧 1. ユニット型は「構造的にコストが高い」
ユニット型個室は、
- 個室
- 小規模ユニット
- 職員配置が手厚い
- 建築コストが高い
という特徴があり、従来型より居住費が高いのが当たり前です。
しかし、低所得者の負担限度額は長年ほぼ据え置きで、
実際のコストとの差が大きくなりすぎていた。
その結果:
✔ 低所得者がユニット型を選びにくい
✔ 施設側も低所得者を受け入れると赤字になりやすい
という“制度の歪み”が生じていました。
🟧 2. 社会保障審議会の意見書で「負担能力に応じた負担」を求められた
通知にも明記されています:
「負担能力に応じた負担を図る観点から、支給額の見直しを行う」
mhlw.go.jp
つまり、
本当に負担が難しい層には軽減を、
ある程度負担できる層には適正な負担を
という方向性が示されたわけです。
🟧 3. その結果、こういう調整が入った
✔ 第1〜第3段階①(本当に低所得)
→ 負担限度額を下げて、ユニット型でも入所しやすくした
✔ 第3段階②(非課税だが収入が多い層)
→ 負担限度額を上げて、従来より負担してもらう
✔ 第4段階(課税者)
→ 負担増(本来のコストに近づける)
🟦 4. なぜ「ユニット型だけ」特に調整が大きいのか
理由は3つあります。
① ユニット型の居住費が最も高く、補足給付の“逆転現象”が起きていた
従来型よりユニット型のほうが高いのに、
低所得者の負担限度額がほぼ同じだったため、
- 施設側が赤字
- 利用者が選びにくい
- 地域差が拡大
という問題が起きていました。
② ユニット型は国が推進してきた「新しい介護の標準」
国は長年、
- 個室化
- ユニットケア
- 自立支援型の生活環境
を推進してきました。
しかし、低所得者が入れない状況では政策が機能しません。
→ 低所得者でもユニット型を選べるようにする必要があった
③ 施設側の経営悪化を防ぐため
ユニット型は従来型より運営コストが高いのに、
低所得者の負担限度額が低すぎて、
補足給付の支給額が追いついていなかった。
そのため、
- 低所得者を受け入れると赤字
- ユニット型の経営が厳しくなる
という問題が全国で指摘されていました。
今回の改正は、
施設側の経営と利用者の公平性の両方を整える調整
と言えます。
🟦 5. まとめ:なぜユニット型の低所得層だけメリットが大きいのか
✔ ユニット型はコストが高いのに、低所得者の負担限度額が低すぎた
✔ その結果、低所得者がユニット型を選べない状況が続いていた
✔ 国の政策(ユニットケア推進)とも矛盾していた
✔ 施設側の経営悪化も問題になっていた
✔ だから「低所得層の負担を下げる」方向で調整された
つまり、
制度の歪みを正すための“是正措置”
というのが今回の改正の本質です。
引用(要約)
厚生労働省は、社会保障審議会の意見を踏まえ、負担能力に応じた負担を実現するため、介護保険施設の居住費・滞在費に対する補足給付の支給額を見直すとしています。今回の改正により、低所得者の負担軽減と、一定の収入がある層の適正な負担が図られます。(介護保険最新情報 Vol.1481 より)

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