事業所がやるべきことをまとめました
令和8年度の介護報酬改定では、介護職員の給料アップを確実に進めるための仕組み(処遇改善加算)が大きく変わります。
厚生労働省の通知(介護保険最新情報 Vol.1474) mhlw.go.jpをもとに、事業所が知っておくべきポイントをやさしく解説します。
1. 今回の改定で何が変わるの?
● 給料アップの対象が広がる
これまで「介護職員」だけが対象でしたが、
令和8年度からは“介護に関わる職員(介護従事者)全体”が対象になります。
例:
- 介護職員
- 看護職員
- 生活相談員
- ケアマネ(居宅介護支援も新たに対象)
- リハ職(訪問リハも対象に追加)
● 新しい加算区分ができる
生産性向上や協働化に取り組む事業所には、
上乗せの加算(Ⅰロ・Ⅱロ)が新設されます。
● 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援も新たに算定可能
これまで対象外だったサービスにも処遇改善加算がつきます。
(令和8年6月から)
2. どれくらい給料が上がるの?
厚労省の説明では、
- 全体に月1万円(約3.3%)アップ
- 生産性向上に取り組む事業所は さらに月7千円(約2.4%)上乗せ
- 合計で 最大月1.9万円(約6.3%)アップ(定期昇給含む)
とされています。 mhlw.go.jp
3. 加算を取るために必要な「7つの要件」
ひとつずつ簡単に説明します。
① 月額賃金改善(基本給などを上げる)
- 加算の半分以上は 基本給や毎月の手当 に使う必要があります。
- 一時金だけでの改善はNG。
② キャリアパス要件Ⅰ(役割と給料のルールを決める)
- どんな役職があって、どんな仕事をするのか
- その役職ごとの給料はどう決まるのか
これを就業規則などに書いて、職員に知らせる必要があります。
③ キャリアパス要件Ⅱ(研修の計画と実施)
- どんなスキルを伸ばすか
- どんな研修を受けられるか
- 資格取得の支援はどうするか
これを計画にまとめ、実際に研修を行います。
④ キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組み)
- 経験年数
- 資格
- 人事評価
など、昇給のルールを明確にする必要があります。
⑤ キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円の職員を1名以上)
- 経験・技能のある介護福祉士が、
賃金改善後に年収440万円以上になるようにすることが原則。
※小規模事業所などは例外あり。
⑥ キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士の配置)
- サービスごとに決められた加算(サービス提供体制強化加算など)を
届出していることが条件になります。
⑦ 職場環境等要件(働きやすい職場づくり)
- 入職促進
- 研修支援
- 働き方改革
- 健康管理
- やりがい向上
など、決められた数の取り組みを実施する必要があります。
さらに、
取り組み内容をホームページなどで公開する義務があります。
4. 令和8年度だけの「特例要件」
今年度は特に、
生産性向上や協働化に取り組むことが強く求められます。
次のどれかを満たせばOK:
- ケアプランデータ連携システムを使う(または使うと誓約)
- 生産性向上推進体制加算を算定(または算定すると誓約)
- 社会福祉連携推進法人に所属している法人である
誓約した場合は、
令和9年3月末までに実施し、実績報告で報告します。
5. 事業所がやるべき「届出スケジュール」
● 体制届(体制等状況一覧表)
- 居宅系:算定開始月の前月15日
- 施設系:算定開始月の1日
- 令和8年4月開始の場合:4月1日(自治体判断で4月15日まで可)
● 処遇改善計画書
- 原則:算定開始月の前々月末
- 令和8年4・5月分 → 4月15日まで
- 6月から新設サービスで算定 → 6月15日まで
● 実績報告書
- 最終支払月の翌々月末
- 令和8年度分 → 令和9年7月31日
(すべて通知内容に基づく) mhlw.go.jp
6. 加算が取り消されるケース
次のような場合、
加算の返還や取り消しが行われます。
- 賃金改善をしていない
- 賃金を下げたのに「特別事情届」を出していない
- 虚偽の届出をした
7. まとめ:今年は「誓約」が大きなポイント
令和8年度は、
「まず誓約して届出 → 令和9年3月末までに実施」
という流れが多く、事業所の負担を軽くする仕組みになっています。
ただし、
誓約したら必ず実施し、実績報告で証明する必要があります。

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