ケース:白内障(視力低下による生活障害・転倒リスク)
■ 利用者像
82歳・女性。独居。軽度の高血圧あり。両眼白内障により視力が低下し、特に夕方以降や薄暗い場所で見えにくさが強い。段差や障害物の認識が困難となり、室内でつまずくことが増加。調理や服薬管理にも不安が出ている。要介護1。
① 本人の意向(本人の言葉)
「最近、物がぼやけて見えて怖い。転ぶのが心配だけど、できるだけ一人で生活を続けたい。迷惑はかけたくない。」
② 家族の意向(家族の言葉)
「一人暮らしなので、転倒や事故がとても心配。安全に生活できるよう、環境を整えてあげたい。できれば手術も検討してほしい。」
③ 課題分析(アセスメント)
白内障による視力低下により、段差・障害物の認識が困難となり、転倒リスクが高まっている。特に薄暗い時間帯や浴室・トイレなどでの不安が強く、生活動作の安全性が低下している。
また、視力低下により服薬管理や調理時の安全確保が難しくなっており、誤薬や火傷などの事故リスクも高い。一方で、日常生活への意欲は高く、自立継続への強い希望がある。環境調整・福祉用具導入・生活支援を組み合わせることで、安全な在宅生活の継続が可能と考えられる。
④ 総合的な援助の方針
本人の「一人で安全に生活を続けたい」という意向を尊重し、視力低下による事故防止と生活の安全確保 を中心とした支援を行う。介護支援専門員を中心に、訪問介護員、福祉用具専門員、家族、医療機関と連携し、住環境整備と生活動作支援を行う。
白内障手術の検討も含め、医療機関と連携しながら、視機能改善と生活機能維持の両面から支援を行う。
【緊急時対応】
・転倒、打撲、頭部打撲時:家族・ケアマネへ連絡、必要時受診
・視力の急激な低下、眼痛、充血:眼科受診
⑤⑥⑦ 生活全般の課題・目標・支援内容(表)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容・サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 転ばずに安全に家の中を移動したい | 室内を安全に移動でき、転倒なく生活できる | 段差や障害物への注意ができ、安全に移動できる | ・住環境点検、動線整理 → ケアマネ・家族・手すり設置、足元灯導入 → 福祉用具貸与・移動時の見守り → 訪問介護:週2回 |
| 調理や服薬を安全に行いたい | 誤薬や事故なく日常生活を送れる | 服薬確認、簡単な調理が安全に行える | ・服薬カレンダー導入、服薬確認 → 訪問介護・調理時の見守り、声かけ → 訪問介護 |
| 一人暮らしでも安心して生活したい | 不安が軽減し、在宅生活を継続できる | 生活リズムが安定し、不安時に相談できる | ・定期訪問による安否確認 → 訪問介護:週2回・緊急通報体制整備 → 家族・ケアマネ |
ケース:緑内障(視野狭窄による転倒・事故リスク)
■ 利用者像
80歳・男性。妻と二人暮らし。糖尿病・高血圧の既往あり。数年前より緑内障と診断され、点眼治療を継続中。徐々に視野狭窄が進行し、足元や左右の物が見えにくく、段差や障害物につまずくことが増えている。最近、自宅内での転倒未遂があり、外出や家事への不安が強まっている。要介護1。
① 本人の意向(本人の言葉)
「目が見えにくくなってきて、ぶつかったり転びそうになるのが怖い。でも、できるだけ自分で動いて、今まで通りの生活を続けたい。」
② 家族の意向(家族の言葉)
「転倒や事故が心配。点眼も忘れがちなので、きちんと続けられるよう支援してほしい。安全第一で生活できるようにしたい。」
③ 課題分析(アセスメント)
緑内障による視野狭窄の進行により、足元および周辺視野の認識が困難となり、転倒や衝突のリスクが高い。特に室内の段差、家具配置、薄暗い時間帯で危険性が高まっている。
また、点眼治療の継続が視機能維持に不可欠であるが、点眼忘れや自己管理への不安がみられる。一方で、生活意欲は高く、家事や外出への意向も保たれているため、住環境調整と点眼管理支援により、安全な生活継続が可能と考えられる。
④ 総合的な援助の方針
本人の「できる限り自立して生活したい」という意向を尊重し、視野狭窄による事故防止と点眼治療の継続支援 を中心に支援を行う。介護支援専門員を中心に、訪問介護員、福祉用具専門員、家族、眼科医療機関が連携し、安全な住環境整備と服薬管理支援を行う。
定期的な視機能評価とサービス内容の見直しを行い、進行状況に応じた柔軟な支援体制を構築する。
【緊急時対応】
・転倒、頭部打撲時:家族・ケアマネへ連絡、必要時受診
・急激な視力低下、強い眼痛、充血:速やかに眼科受診
⑤⑥⑦ 生活全般の課題・目標・支援内容(表)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容・サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 転ばずに安全に家の中を移動したい | 室内を安全に移動し、転倒なく生活できる | 段差や障害物を認識し、安全に移動できる | ・動線整理、家具配置見直し → ケアマネ・家族・手すり、足元灯設置 → 福祉用具貸与・移動時の見守り → 訪問介護:週2回 |
| 点眼治療を忘れずに継続したい | 点眼が習慣化し、視機能低下を防げる | 点眼回数・手順を理解し、自己管理できる | ・点眼手技指導、声かけ → 訪問介護・点眼スケジュール表作成 → ケアマネ |
| 外出や家事を安心して続けたい | 不安なく外出・家事が行える | 近隣への外出や家事が安全に行える | ・外出時の付き添い → 家族:週1回・生活動作の助言 → 訪問介護 |
ケース:加齢性難聴(聴力低下による生活障害・社会的孤立予防)
■ 利用者像
84歳・男性。妻と二人暮らし。高血圧・脂質異常症あり。数年前より加齢性難聴が進行し、日常会話の聞き取りが困難となっている。テレビ音量が大きく、電話やインターホンへの反応が遅れることが多い。会話が負担となり、外出や地域活動を控える傾向がある。要介護1。
① 本人の意向(本人の言葉)
「耳が遠くなって、話を聞くのが大変。でも、できるだけ自分で生活したいし、家族や人との会話も続けたい。」
② 家族の意向(家族の言葉)
「聞こえにくさで、会話が成り立たず困ることがある。事故や聞き間違いが心配なので、安全に生活できるよう支援してほしい。」
③ 課題分析(アセスメント)
加齢性難聴の進行により、会話理解が困難となり、聞き返しや聞き間違いが増加している。その結果、社会的交流の機会が減少し、閉じこもりや意欲低下につながる可能性が高い。また、電話や呼びかけへの反応遅延により、緊急時の対応が遅れるリスクもある。
一方、日常生活動作は概ね自立しており、社会参加への意欲も残存している。補聴器の導入検討や生活環境調整、コミュニケーション支援により、安全かつ安心した生活の継続が可能と考えられる。
④ 総合的な援助の方針
本人の「できるだけ自立して生活したい」という意向を尊重し、聴力低下による生活上の不便や事故リスクの軽減、社会的孤立の予防 を中心に支援を行う。介護支援専門員を中心に、訪問介護員、家族、医療機関(耳鼻科)と連携し、補聴器導入や生活環境調整、コミュニケーション支援を実施する。
【緊急時対応】
・呼びかけへの反応がなく安否確認が必要な場合:家族・訪問介護へ連絡
・体調急変時:主治医・救急要請
⑤⑥⑦ 生活全般の課題・目標・支援内容(表)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容・サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 会話を円滑にし、安心して生活したい | 家族との会話が成り立ち、安心して生活できる | 補聴器や工夫により、日常会話が理解できる | ・補聴器導入・調整支援 → 耳鼻科受診、家族同行・会話時の工夫指導(正面から話す等) → 訪問介護 |
| 電話や呼びかけに気づけるようにしたい | 緊急時にも確実に対応できる | 着信・呼びかけに反応できる | ・光る呼び出しベル、着信ランプ導入 → 福祉用具・反応確認、声かけ → 訪問介護 |
| 外出や交流を続けたい | 週1回以上の外出や交流が継続できる | 通所・地域活動に参加できる | ・通所介護参加 → 週1回・外出時の付き添い → 家族 |
ケース:メニエール病(回転性めまい・難聴・耳鳴り・平衡障害)
■ 利用者像
78歳・女性。夫と二人暮らし。高血圧・脂質異常症あり。数年前よりメニエール病と診断され、回転性めまい発作、耳鳴り、難聴、悪心・嘔吐を繰り返している。発作時は歩行困難となり、転倒リスクが高い。発作への不安から外出や家事を控える傾向があり、活動量が低下している。要介護1。
① 本人の意向(本人の言葉)
「めまいが起きると怖くて動けなくなるけど、できるだけ自分の家で今まで通り生活したい。外にも出られるようになりたい。」
② 家族の意向(家族の言葉)
「突然のめまい発作が心配。転倒や事故が起きないように、安全に生活できる環境を整えてほしい。」
③ 課題分析(アセスメント)
メニエール病による回転性めまい発作により、平衡機能が低下し、歩行時の不安定さおよび転倒リスクが高い。発作に伴う悪心・嘔吐により活動が制限され、生活範囲が縮小している。また、発作への恐怖心から外出や交流を控える傾向があり、心身機能低下の悪循環が生じている。
一方、日常生活動作は発作時以外は概ね自立しており、在宅生活継続への意欲は保たれている。医療管理、環境整備、見守り体制の構築により、安全な生活継続が可能と判断される。
④ 総合的な援助の方針
本人の「自宅で安心して生活したい」という意向を尊重し、めまい発作時の安全確保、転倒予防、生活範囲の維持 を中心に支援を行う。介護支援専門員を中心に、家族、訪問介護員、主治医(耳鼻科)と連携し、医療管理・環境調整・生活支援を組み合わせたチームケアを実施する。
【緊急時対応】
・強い回転性めまい、嘔吐、歩行不能時:家族・訪問介護・ケアマネへ連絡
・意識障害・脱水症状出現時:医療機関受診・救急要請
⑤⑥⑦ 生活全般の課題・目標・支援内容(表)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容・サービス内容 |
|---|---|---|---|
| めまい発作時も安全に過ごしたい | 発作時も転倒なく安全に対応できる | 発作時の対応方法が確立される | ・発作時対応マニュアル作成 → ケアマネ・家族・安静確保、見守り → 訪問介護 |
| 転倒せずに家の中を移動したい | 自宅内を安全に移動できる | 動線上の危険因子が除去される | ・手すり設置、動線整理 → 福祉用具・夜間照明設置 → 家族 |
| 外出や生活活動を続けたい | 生活範囲を維持できる | 短時間の外出が可能となる | ・通所介護利用 → 週1回・外出時付き添い → 家族 |
ケース:深部感覚障害(位置覚・振動覚低下による歩行不安定)
■ 利用者像
82歳・男性。妻と二人暮らし。糖尿病性神経障害および脊髄疾患の既往があり、深部感覚障害による下肢の位置覚低下、ふらつき、歩行不安定がみられる。視覚に頼った歩行となり、暗所や段差で転倒リスクが高い。外出頻度が減少し、下肢筋力低下が進行している。要介護2。
① 本人の意向(本人の言葉)
「転びそうで怖いが、できるだけ自分の足で歩き続けたい。買い物にも行けるようになりたい。」
② 家族の意向(家族の言葉)
「転倒が一番心配。家の中でも安心して動けるようにしてほしい。」
③ 課題分析(アセスメント)
深部感覚障害により足の位置感覚が低下し、歩行時のバランス保持が困難となっている。視覚に依存した歩行となり、暗所、段差、不整地での転倒リスクが高い。外出機会の減少により下肢筋力低下、持久力低下が進行し、さらなる歩行能力低下の悪循環が懸念される。
一方、理解力・意欲は良好で、リハビリへの参加意欲が高く、適切な歩行補助具、環境調整、運動療法により歩行能力維持が期待できる。
④ 総合的な援助の方針
本人の「自分の足で歩き続けたい」という意向を尊重し、転倒予防・歩行能力維持・生活範囲の確保 を目標に支援する。医療・リハビリ・介護が連携し、身体機能訓練と住環境整備を組み合わせた包括的支援を実施する。
【緊急時対応】
・転倒、意識障害、歩行不能出現時:家族→ケアマネ→医療機関受診
⑤⑥⑦ 生活全般の課題・目標・支援内容(表)
| 課題(ニーズ) | 長期目標(6か月) | 短期目標(3か月) | 支援内容 |
|---|---|---|---|
| 転倒せずに自宅内を歩きたい | 自宅内を安全に移動できる | 手すり使用で安定歩行が可能 | ・福祉用具(歩行器・手すり)・動線整理、段差解消 |
| 歩行能力を維持したい | 外出機会を保てる | 屋外歩行訓練が可能 | ・訪問/通所リハビリ 週1~2回 |
| 筋力低下を防ぎたい | 下肢筋力を維持 | 運動習慣が定着 | ・自主訓練指導 → PT・家族による声かけ |


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