令和8年度(2026年度)介護報酬改定に関する審議報告まとめ
厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会において、令和8年度(2026年度)介護報酬改定に関する審議報告(案)が示されました。
今回の改定は通常の3年ごとの改定ではなく、期中(臨時)改定として位置づけられている点が大きな特徴です。
本記事では、審議報告のポイントを現場目線で分かりやすく整理します。
1.今回の介護報酬改定の位置づけ
令和8年度の介護報酬改定は、
👉 介護人材の処遇改善を最優先課題とした臨時改定
として検討が進められています。
背景には、
- 介護人材の慢性的な不足
- 全産業平均と比べて低い賃金水準
- 人材流出によるサービス提供体制の不安定化
といった深刻な課題があります。
2.審議報告で示された主なポイント
① 介護職員の処遇改善を中心とした改定
今回の審議では、介護職員等処遇改善加算の拡充が大きな柱となっています。
- 賃上げ効果が現場に確実に届く仕組み
- 一時的な補助金ではなく、報酬体系としての安定的な処遇改善
が重要な論点として示されています。
② 処遇改善の対象拡大の検討
これまで処遇改善の中心は「介護職員」でしたが、今回の審議では、
- 居宅介護支援(ケアマネジャー)
- 訪問看護
- 訪問リハビリ
- その他の介護関連職種
など、介護現場を支える多職種にも配慮すべきという方向性が示されています。
特にケアマネジャーについては、
「業務負担に見合った評価が必要」という意見が複数出されています。
③ 改定時期は「令和8年度途中」が想定
今回の改定は期中改定のため、
- 施行時期は2026年6月頃を想定
- 詳細な単位数や算定要件は今後決定
とされています。
そのため、現時点では方向性の理解が重要な段階です。
3.審議で整理された主な論点
審議報告では、今後の制度設計に向けて次のような論点が整理されています。
- 処遇改善は「加算」で行うのか、「報酬本体」で行うのか
- どの職種・サービスまで対象とするのか
- 職場環境改善や業務効率化をどう評価するのか
- 一時的な措置ではなく、恒久的な制度とできるのか
これらは今後の最終報告・告示で具体化されていきます。
.現場への影響と今後の注意点
今回の審議報告から読み取れるのは、
- 「人を守らなければ介護制度は成り立たない」
- 「現場の疲弊を放置しない」という強いメッセージ
です。
一方で、
- 加算要件の複雑化
- 事務負担の増加
が起こらないか、現場としては注視する必要があります。
5.まとめ
令和8年度介護報酬改定の審議報告(案)は、
介護人材の処遇改善を軸とした、制度の立て直しに向けた重要な一歩です。
今後は、
- 最終的な審議報告
- 告示・通知の内容
- 各サービスへの具体的影響
を継続して確認していくことが重要になります。

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