アルツハイマー病は、脳の神経細胞に「アミロイドβ」や「タウ」が付着することで、神経細胞が機能しなくなり、物忘れが徐々に発症していく病気です。治療薬は、これまで「アリセプト」を飲まれている高齢者の方が多かったイメージです。「アリセプト」は、無くなった物質を補うことができるが、神経細胞が死亡することを補うことはできません。そのため、神経細胞に直接アプローチできていませんでした。しかし、「レカネマブ」や「ドナネマブ」は、アミロイドβ(タンパク質)を取り除く作用があります。ケアマネジャーは、高齢者の生活の質を高めるために、費用や副作用、受診の頻度などは知っておくべきです。
商品名 | レカネマブ | ドナネマブ |
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開発 | エーザイ | イーライリリー |
承認 | 令和5年12月~ | 令和6年12月頃かな~未定 |
受診頻度(期間) | 2週に1回の点滴(1年半) 副作用があるため、継続的な検査(MRI)が必要 | 4週に1回の点滴(1年半) 副作用があるため、継続的な検査(MRI)が必要 |
対象者 | 軽度認知症 | 軽度認知症 |
副作用 | 脳のむくみや小さな出血 (適切に対応することが可能) | 脳のむくみや小さな出血 (適切に対応することが可能) |
費用 | 298万/年間(体重50キロ) | 未定 |
いずれにしても診察が必要であり毎月点滴に行くことは、家族も本人も負担が大きいです。費用は高額療養費が適用されるため、支払いは一部となっても一定の費用は発生します。医療機関については全国500か所ほどで治療を受けれます。
今後の課題は、対象となる軽度認知症患者は数百万人はいると想定されますが専門医だけでの対応は難しいことです、また治療費の社会全体への負担が大きくなることです。
いずれにいても早期発見早期治療が大きなカギとなります。治療をしたからといって回復するわけではなく、細胞が機能しなくなることを防ぐことができるだけ(治るわけではなく2~3割進行を抑える)で、機能しなくなった細胞を復活させることはできません。そのため、早い発見治療が重要となりますし、認知症にならないように治療というアプローチのみではなく、普段の生活(介護サービスなど)から予防の取り組みが重要です。また、現在はQOLを低下させないよう点滴でなく皮下注射などの治験が進んでいます。
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