📝 【令和7年12月1日開催分】介護保険部会 第130回を解説 介護保険の未来を左右する論点

介護保険
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介護保険制度は高齢化の進展に伴い、財政の持続可能性が大きな課題になっています。今回の部会では「誰がどれだけ負担するか」「どのように公平性を保つか」が中心テーマでした。ここでは、資料1と資料2を詳しく解説します。

📌 資料1:持続可能性の確保

背景

  • 高齢者人口の増加により、介護保険財政は急速に拡大。
  • 現行制度のままでは、将来的に財源不足が深刻化する見通し。

主な論点

  1. 利用者負担の見直し
    • 制度創設時は一律1割負担。
    • 平成26年改正で「一定以上所得者」は2割負担に。
    • 平成29年改正で「現役並み所得者」は3割負担に。
    • 現在は2割負担が約4.7%、3割負担が約4.2%。
    • 今後は「2割負担対象の拡大」が検討されている。

補足給付の精緻化

  • 居住費・食費の軽減制度。
  • 所得段階や預貯金基準をさらに細分化し、「本当に必要な人」に絞る

ケアマネジメント費用

  • 現在は利用者負担なし(10割給付)。
  • 今後は一部負担を導入するか検討。

業務効率化

  • ケアマネジャーの事務負担軽減(ICT活用)
  • 給付管理業務の効率化を進める。

方向性

  • 「能力に応じた公平な負担」を基本に、制度の持続可能性を確保。
  • 医療保険制度との整合性も考慮しながら調整。

📌 資料2:論点ごとの議論状況

利用者負担

  • 慎重派
    • 負担増は利用控えや重度化につながる。
    • 高齢者の生活実態を踏まえると、負担拡大は困難。
  • 積極派
    • 公平性・持続可能性のため負担拡大は必要。
    • 他の社会保障制度との整合性を保つべき。

補足給付

  • 公平性を高めるため、資産基準を導入し細分化。
  • 「本当に必要な人」に限定する方向。

ケアマネジメント(論点⑥)

慎重派

  • 利用者負担導入で利用控えが起きる懸念。
  • ケアマネの公平性・中立性が損なわれる恐れ。

積極派

  • 制度維持のため導入すべき。
  • 利用者がケアプランに関心を持ち、質向上につながる。

折衷案

  • 所得に応じた負担導入。
  • 事務費用のみ負担する仕組み。
  • 有料老人ホームなど透明性が課題となる施設では利用者負担を求める方向。

✨ まとめ

介護保険制度は「公平性」と「持続可能性」という二つの課題に直面しています。

資料1では「持続可能性の確保」が大きなテーマ。利用者負担の見直し、補足給付の精緻化、ケアマネジメント費用の在り方、業務効率化などが議論されました。

資料2では、各論点ごとの意見が整理され、慎重派と積極派の対立が鮮明に。特にケアマネジメント費用は、これまで無償だったものを「一部負担にするかどうか」が大きな分岐点。

👉 結論は2027年度から始まる第10期計画までに出される予定。介護保険の未来を左右する重要な議論が続いています。

📊 比較表(慎重派 vs 積極派 vs 折衷案)

論点慎重派の意見積極派の意見折衷案の方向性
利用者負担負担増は利用控えや重度化につながる公平性・持続可能性のため負担拡大が必要所得に応じた負担導入
補足給付高齢者生活実態を踏まえ負担拡大は困難公平性確保のため資産基準導入細分化し「本当に必要な人」に限定
ケアマネ費用利用控え懸念、公平性・中立性が損なわれる恐れ制度維持のため導入すべき、質向上につながる事務費用のみ負担、有料老人ホームで導入検討

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