こんにちは、今日はちょっと難しそうで実は面白い、「キャリートレードの巻き戻し」についてお話しします。最近、日本の長期金利がグングン上がっていて、金融市場がざわついています。その裏で静かに進んでいるのが、円キャリートレードの巻き戻しなんです。
「え、キャリートレードってなに?」という方も大丈夫!ここからわかりやすく解説していきます。
🌍 キャリートレードってどんな取引?
キャリートレードとは、金利の低い通貨でお金を借りて、金利の高い国の資産に投資するという手法です。
たとえば…
- 日本円(超低金利)でお金を借りる
- アメリカの国債や株(高金利・高リターン)を買う
という感じ。日本は長年ゼロ金利だったので、世界中の投資家が「円を借りて海外に投資する」キャリートレードをしてきました。
📈 でも今、なにが起きてるの?
ここ最近、日本政府が大規模な景気対策を打ち出し、その財源として新規国債を大量に発行しています。すると、こんなことが起きます:
1国債が増える → 金利が上がる
- 国債がたくさん市場に出回ると、価格が下がり、利回り(=金利)が上がります。
2日本の金利が上がる → 円の魅力がアップ
- 「あれ?日本でも利回り取れるじゃん」となり、わざわざ海外に投資しなくてもよくなる。
3円を借りてた投資家が慌てて円を買い戻す
- 円高が進み、キャリートレードが一気に巻き戻る!
巻き戻しが起きるとどうなるの?
- 円高が進む:為替が急に動いて、輸出企業にとっては逆風。輸入企業は追い風。
- 海外資産が売られる:米国株や新興国債券など、リスク資産に売り圧力。
- 世界の金融市場に波及:日本の金利上昇が、世界の資金の流れを変えてしまう可能性も
🧭 まとめ:金利の上昇は「静かな地殻変動」
今回のように、国債の大量発行 → 金利上昇 → キャリートレード巻き戻しという流れは、表面上は静かでも、金融市場の深いところで大きな変化を引き起こします。
「金利がちょっと上がっただけで、なんでそんなに大騒ぎなの?」と思っていた方も、これで少しイメージが湧いたんじゃないでしょうか?
歴史
📈 2007年〜2008年:キャリートレードの絶頂期
- 日本の政策金利:ほぼ0%台
- 米国・欧州の金利:4〜5%台
- 為替レート:ドル円は一時124円台まで円安が進行
この時期、円キャリートレードは「儲かる投資手法」として世界中で大流行。 レバレッジをかけて円を売り、外貨建て資産に投資する動きが加速していました。
🧨 2008年:リーマン・ショックで一気に崩壊
そして、2008年9月。 リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界中がリスクオフに突入。
何が起きたかというと…
- リスク資産が暴落
- 株式・不動産・新興国通貨などが次々と下落。
- 投資家は損失を避けるため、ポジションを解消。
- 円の買い戻しが殺到
- 借りていた円を返すため、ドルや豪ドルを売って円を買う動きが一斉に発生。
- 急激な円高が発生
- ドル円は124円台 → 一時90円割れ
- 豪ドル円は100円超 → 一時55円台まで暴落
🌍 世界経済への影響
- 日本の輸出企業:円高で採算悪化、株価が急落
- 世界の金融市場:信用不安が拡大し、連鎖的な株安
- 為替市場:円が“安全資産”として買われ、他通貨が売られる展開に


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