認知症ケアプラン作成例
第1表
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
利用者は物忘れが増えているものの、住み慣れた自宅でこれからも生活を続けたいと考えており、自分でできることはできるだけ自分で行いながら生活したいと希望している。最近は外出機会が減少し活動量が低下しているが、体を動かしながら人と関わる機会を持ちたい思いがある。
認知機能の低下により服薬管理や生活の段取りに不安がみられるが、声かけや見守りがあれば自立して行える動作も多く残存している。活動量の低下が続くと身体機能の衰えや認知症進行につながる可能性があるため、定期的な外出機会の確保と運動および生活動作訓練の実施が必要である。通所リハビリテーションを利用し、運動機能訓練、生活動作訓練、社会交流の機会を確保することで、認知機能低下の進行予防と生活機能維持を図る必要がある。
総合的な援助の方針
利用者が住み慣れた自宅での生活を継続できるよう、本人が現在有している能力を活かしながら自立支援を基本としたケアを行う。通所リハビリテーションの利用を通じて、身体機能の維持向上、日常生活動作の維持、認知機能低下予防および社会交流の機会確保を図り、生活リズムを整える支援を行う。
自宅では家族と連携し、過度な介助とならないよう見守りや声かけ中心の支援を行い、本人ができる行為を継続できる環境調整を行う。今後体調悪化や認知症状の急激な変化が生じた場合には、家族、通所リハビリテーション事業所、主治医および介護支援専門員が速やかに情報共有し、サービス内容の見直し等の対応を行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自宅で安心して生活を続けたい | 自宅での生活を継続できる | 生活リズムを整える | 看護職による体調確認・血圧測定等の健康管理を実施する。決まった曜日に通所することで外出習慣を確立し、送迎支援により安全な通所を確保して日中活動の場を維持する。 |
| 体力を維持したい | 歩行能力を維持する | 継続して運動を行う | 理学療法士等による個別機能訓練として下肢筋力訓練、立ち上がり訓練、歩行訓練、バランス訓練を実施する。加えて集団体操へ参加し、無理のない範囲で継続的に身体活動を行う。 |
| 物忘れがあっても自分でできることは続けたい | 日常生活動作を維持する | 声かけで身支度ができる | 更衣、整容、トイレ動作等を本人主体で実施できるよう職員が手順を分かりやすく説明し必要時のみ部分介助する。回想法、計算、読み書き等の認知機能訓練活動にも参加する。 |
| 人と交流しながら生活したい | 閉じこもりを防ぐ | 通所利用に慣れる | レクリエーション、季節行事、作業活動への参加を職員が促し、他利用者との会話機会を確保する。孤立しないよう席配置や声かけを行い安心して過ごせる環境を整える。 |
下肢筋力低下
第1表
課題分析の結果
利用者はこれまで自宅の庭の手入れや近所への買い物を日課として生活してきたが、近年下肢筋力の低下により歩行が不安定となり、転倒への不安から外出を控えるようになっている。もともと人の世話になることを好まず、自分のことは自分で行いたいという思いが強く、可能な限り現在の生活を維持したいと希望している。
活動量の低下によりさらに筋力が落ちる悪循環がみられ、このままでは屋内移動にも支障が出る可能性がある。一方で声かけや環境調整があれば歩行や日常動作は可能であり、身体機能の維持向上を図ることで自宅生活継続は十分可能と考えられる。
これまで大切にしてきた「自分のことは自分で行う生活」を継続できるよう、通所リハビリテーションを利用し、継続的な運動機会の確保と生活動作訓練を行い、歩行能力の維持および転倒予防を図る必要がある。
総合的な援助の方針
利用者がこれまで築いてきた生活習慣や自立志向を尊重し、過度な介助とならないよう本人主体の支援を基本とする。通所リハビリテーションを活用し、専門職による機能訓練を継続することで、歩行能力の維持向上と外出機会の確保を図り、活動量低下によるさらなる筋力低下を防ぐ。
自宅では安全に移動できる環境を整え、家族は必要時の見守りを中心に支援する。歩行状態の悪化や転倒がみられた場合には、通所事業所、主治医、介護支援専門員が連携し、速やかに支援内容の見直しを行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分のことは自分で行いながら自宅で生活したい | 自宅生活を継続できる | 安全に屋内移動ができる | ・通所リハ利用・体調確認・安全な送迎対応 |
| 歩ける力を維持したい | 歩行能力を維持する | 継続して運動できる | ・下肢筋力訓練・立ち上がり練習・歩行練習 |
| 転倒せず生活したい | 転倒を予防する | 安全な移動方法を身につける | ・バランス訓練・段差昇降練習・職員による見守り歩行 |
| 外出する生活を続けたい | 活動量を維持する | 通所に継続参加できる | ・レクリエーション参加・他者交流機会確保・日中活動時間の確保 |
フレイル(高齢による衰弱)
第1表
課題分析の結果
利用者は長年学校教師として勤務し、規則正しい生活を送りながら地域との関わりも大切にしてきた。退職後も読書や新聞を読む習慣を続けていたが、近年は体力低下と疲れやすさが目立ち、外出機会が減少している。歩行速度の低下や食事量の減少もみられ、このまま活動量が低下するとさらなる体力低下につながることが懸念される。
本人は「人に迷惑をかけず自分のことは自分でしたい」「できるだけ頭も体も使って生活したい」と話しており、知的活動や人との会話を大切にする価値観が強い。現状では声かけや見守りがあれば外出や日常動作は可能であり、継続した運動機会と社会交流の場を確保することで身体機能および生活意欲の維持向上が期待できる。
通所リハビリテーションを利用し、身体機能訓練、生活動作訓練および社会参加の機会を確保することで、フレイル進行予防と自宅生活継続を図る必要がある。
総合的な援助の方針
これまで教師として培ってきた生活リズムや知的活動への意欲を尊重し、本人が役割や交流を感じながら生活できる支援を行う。通所リハビリテーションを活用し、専門職による運動訓練を継続することで体力低下を防ぎ、日常生活動作の維持向上を図る。
また、会話や集団活動への参加を促し、社会的孤立を防ぐことで生活意欲の維持につなげる。自宅では無理のない範囲で日課を継続できるよう家族と連携し見守り支援を行う。体調変化や急激な食欲低下、歩行状態悪化等がみられた場合には、通所事業所、主治医、介護支援専門員が連携し速やかに支援内容の見直しを行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自宅で自立した生活を続けたい | 自宅生活を継続できる | 生活リズムを整える | ・通所リハ利用・健康状態の確認・安全な送迎対応 |
| 体力低下を防ぎたい | 身体機能を維持する | 継続して運動できる | ・軽負荷の筋力訓練・歩行練習・体操参加 |
| 日常生活を自分で行いたい | 日常動作を維持する | 見守りで動作ができる | ・更衣や移動の動作練習・必要時のみ介助・自分で行う機会を確保 |
| 人と話す機会を持ちたい | 社会交流を維持する | 通所利用に慣れる | ・会話機会の確保・レクリエーション参加・集団活動参加 |
大腿骨頸部骨折ケアプラン例(専業主婦)
第1表
課題分析の結果
利用者は長年専業主婦として家庭を支え、料理・洗濯・掃除など家事全般を日常的に行ってきた。家のことを自分で行うことを生活の役割として大切にしており、買い物も自分で出かける生活を続けていた。
今回の大腿骨頸部骨折により歩行能力が低下し、立ち上がりや移動時に不安定さがみられる。外出機会も減少し、家事を十分に行えない状況となったことで本人の落ち込みや転倒への不安が強くなっている。このまま活動量が低下すると筋力低下が進み、さらに日常生活動作が制限されることが懸念される。
本人は「できることは自分で続けたい」「家のことを少しでもやりたい」と話しており、これまで担ってきた家事役割を可能な範囲で継続したい意向が強い。現在は見守りや軽介助があれば移動や日常動作は可能であり、継続したリハビリと安全な生活環境の調整により歩行能力および生活動作の改善が期待できる。
通所リハビリテーション等を利用し、身体機能訓練、歩行訓練および生活動作訓練を継続することで、転倒予防を図りながら在宅生活の継続を支援する必要がある。
総合的な援助の方針
骨折後の身体機能低下に対し、専門職によるリハビリを継続し歩行能力の回復および転倒予防を図る。専業主婦としてこれまで担ってきた生活役割を尊重し、無理のない範囲で家事へ参加できるよう生活動作訓練と環境調整を行う。
通所サービスの利用により継続した運動機会を確保し、活動量低下を防ぐことで筋力維持と生活意欲の向上につなげる。自宅では安全な移動環境を整え、家族と連携し見守り支援を行う。体調変化や歩行状態の悪化、転倒の危険がみられた場合には、通所事業所、主治医、介護支援専門員が連携し速やかに支援内容の見直しを行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 転ばず自宅で生活したい | 安全に在宅生活を継続できる | 安全に室内移動できる | ・通所リハ利用・健康状態の確認・安全な送迎対応 |
| 歩けるようになりたい | 歩行能力を回復・維持する | 補助具で歩行できる | ・歩行訓練・下肢筋力訓練・立ち座り練習 |
| 日常生活を自分で行いたい | 日常動作を維持する | 見守りで動作ができる | ・更衣や移動の動作練習・必要時のみ介助・自分で行う機会を確保 |
| 家事を少しでも続けたい | 無理なく家事参加できる | 簡単な家事ができる | ・調理や洗濯動作確認・安全な家事方法助言・家事時の見守り支援 |
パーキンソン病
第1表
課題分析の結果
利用者は長年農業に従事し、毎日体を動かしながら畑仕事を続けてきた。季節に合わせて作業を行う生活を送り、屋外で体を動かすことや作物を育てることを生きがいとしてきた。近隣との交流も畑を通じて続けており、働くことを生活の中心として大切にしてきた。
近年パーキンソン病の進行により動作の緩慢さ、歩行時のふらつき、すくみ足がみられ、転倒への不安が強くなっている。衣服の着脱や立ち上がり動作にも時間を要するようになり、外出機会や畑に出る時間が減少している。このまま活動量が低下すると筋力低下や生活動作のさらなる制限が懸念される。
本人は「体が動くうちはできるだけ自分でやりたい」「少しでも外に出たい」と話しており、身体を動かす生活の継続を強く望んでいる。現在は時間をかければ日常動作は可能であり、動作訓練やリズム運動、歩行練習を継続することで身体機能維持と安全な生活の継続が期待できる。
通所リハビリテーションを利用し、専門職による機能訓練および生活動作訓練を行い、転倒予防と活動量維持を図りながら在宅生活の継続を支援する必要がある。
総合的な援助の方針
農業を続けてきた生活歴を踏まえ、身体を動かす習慣を維持できるよう支援を行う。通所リハビリテーションを活用し、パーキンソン病に配慮した歩行訓練やリズム運動、筋力訓練を継続することで動作の安定化と転倒予防を図る。
自宅では急がず自分のペースで動作できる環境を整え、できる動作は本人主体で行えるよう家族と連携して見守り支援を行う。また、可能な範囲で屋外活動や畑の様子を見る機会を確保し、生活意欲の維持につなげる。
動作の急な低下、転倒、嚥下状態の変化、服薬調整が必要な状態等がみられた場合には、主治医、通所事業所、介護支援専門員が連携し速やかに支援内容の見直しを行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 転ばず自宅で生活したい | 安全に在宅生活を継続できる | 安全に歩行できる | ・通所リハ利用・健康状態の確認・安全な送迎対応 |
| 体の動きを維持したい | 身体機能を維持する | 継続して運動できる | ・リズム運動訓練・下肢筋力訓練・歩行練習 |
| 日常生活を自分で行いたい | 日常動作を維持する | 時間をかければ動作できる | ・更衣や移動の動作訓練・動作時の声かけ支援・必要時のみ介助 |
| 外に出る機会を持ちたい | 活動意欲を維持する | 通所利用に慣れる | ・屋外歩行練習・交流機会確保・日中活動時間の確保 |
COPD
第1表
課題分析の結果
利用者は長年会社員として勤務し、毎日決まった時間に出勤し責任をもって仕事に取り組む生活を続けてきた。退職後も生活リズムを大切にし、自分のことは自分で行うことを基本として過ごしている。計画的に物事を進める性格であり、周囲に迷惑をかけず自立した生活を続けることを強く望んでいる。
近年COPDの進行により息切れが強くなり、歩行や入浴、外出時に呼吸苦が出現しやすくなっている。疲労しやすいため外出機会が減少し、自宅で過ごす時間が長くなっている。このまま活動量が低下すると体力低下が進み、さらに日常生活動作が制限されることが懸念される。
本人は「できるだけ自分の生活は維持したい」「体力を落とさないようにしたい」と話しており、無理のない範囲で体を動かしながら生活を続けたい意向がある。現在は休憩を取りながらであれば日常動作は可能であり、呼吸状態に配慮した運動や生活動作訓練を継続することで体力維持および生活継続が期待できる。
通所リハビリテーションを利用し、呼吸リハビリ、体力維持訓練および生活動作指導を行い、呼吸苦の軽減と活動量維持を図りながら在宅生活の継続を支援する必要がある。
総合的な援助の方針
呼吸状態の悪化を防ぎながら、無理のない範囲で身体活動を継続できるよう支援を行う。通所リハビリテーションを活用し、呼吸訓練や軽負荷運動を継続することで体力低下を防ぎ、日常生活動作の維持を図る。
会社員として長年規則正しい生活を送ってきた背景を踏まえ、日中活動のリズムを整えながら生活できるよう支援し、過度な安静による体力低下を防ぐ。自宅では動作時に十分な休息を確保し、呼吸苦が出現した際の対応方法を家族と共有して見守り支援を行う。
呼吸状態の急激な悪化、発熱、痰の増加、歩行困難などの変化がみられた場合には、主治医、通所事業所、介護支援専門員が連携し速やかに受診や支援内容の見直しを行う。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 息苦しくならず自宅で生活したい | 安定した呼吸状態で生活できる | 無理なく移動できる | ・通所リハ利用・健康状態の確認・安全な送迎対応 |
| 体力を維持したい | 体力低下を防ぐ | 継続して運動できる | ・呼吸リハビリ実施・軽負荷の筋力訓練・休憩を取りながら運動 |
| 日常生活を自分で続けたい | 日常動作を維持する | 休みながら動作できる | ・動作時のペース配分指導・更衣や移動の動作確認・必要時のみ介助 |
| 外出機会を保ちたい | 活動量を維持する | 通所利用に慣れる | ・日中活動時間の確保・交流機会の確保・無理のない外出支援 |
がんターミナル
第1表
課題分析の結果
利用者は長年自営業として店を経営し、接客や仕入れ、経営管理まで自ら行いながら働いてきた。地域の常連客との関係を大切にし、店を通じて社会とのつながりを持ち続けてきた。仕事を続けることが生きがいであり、人と関わる生活を長年送ってきた。
がんの進行により全身の倦怠感、食欲低下、体力低下がみられ、歩行や外出が困難となっている。疼痛や体調変動もあり日によって活動量に差がある状況である。今後さらに身体機能低下が進行する可能性が高く、日常生活動作の支援および症状緩和を中心とした生活支援が必要な状態となっている。
本人は「できるだけ自宅で過ごしたい」「店のことが気になるが無理せず生活したい」「家族に迷惑をかけすぎたくない」と話しており、可能な限り自宅で安心して生活することを望んでいる。現在は介助があれば日常生活は可能であり、体調に配慮しながら安楽な生活環境を整え、医療と介護が連携した支援を継続することで自宅生活の継続が可能と考えられる。
通所利用については体調に応じた短時間利用や機能維持訓練、気分転換の機会として活用しつつ、症状進行時には在宅支援中心へ柔軟に移行できる体制を整える必要がある。
総合的な援助の方針
終末期の状態を踏まえ、延命よりも本人の安楽と生活の質を重視した支援を行う。体調変動が大きいことから無理な活動は避けつつ、可能な範囲で離床や軽い運動機会を確保し、身体機能の急激な低下を防ぐ。
自営業として社会との関わりを大切にしてきた生活歴を尊重し、家族や関係者との会話機会を確保しながら精神的安定につなげる。通所サービスは体調に応じて無理のない範囲で利用し、看護職による体調確認や疼痛状況の把握を行う。
疼痛増強、食事摂取困難、歩行不能、急激な体調悪化等がみられた場合には、主治医、訪問看護、通所事業所、介護支援専門員が速やかに連携し、在宅医療中心の支援体制へ調整する。本人および家族の意向を確認しながら、最期まで安心して生活できる環境を整える。
第2表
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自宅で安心して過ごしたい | 安楽に在宅生活を継続できる | 体調を安定させる | ・通所利用(体調に応じ短時間)・看護職による体調確認・安全な送迎対応 |
| 痛みやつらさを軽減したい | 苦痛少なく生活できる | 疼痛状態を把握する | ・バイタル確認・疼痛状況の観察・安楽な姿勢調整 |
| 日常生活を続けたい | 必要な介助で生活できる | 安全に移動できる | ・移動時の介助・更衣や排泄の支援・無理のない動作支援 |
| 人との関わりを保ちたい | 精神的に安定して過ごす | 交流機会を保つ | ・会話機会の確保・静かな環境での活動支援・体調に応じた参加調整 |

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