〜資料を読まなくてもわかる/これから何をするかが明確になる〜
こんにちは。
今回は、厚生労働省が示した
「介護保険最新情報 Vol.1448(令和7年12月17日)」の内容を、
- 資料を細かく読まなくても全体像がわかる
- ケアマネジャーが「今後何をすればいいか」が具体的にわかる
形でまとめました。
まず結論:この資料は何を伝えたいのか
この資料のメッセージは、とてもシンプルです。
「介護現場が限界に近いため、介護報酬改定を待たずに、国がお金を出して緊急的に支える。そのため自治体は急いで準備し、現場まで確実に支援を届けてほしい」
物価高、人材不足、賃金格差が続く中で、
このままでは介護サービスが維持できないという強い危機感が背景にあります。
今回の支援策の全体像
今回の補正予算による支援は、
「医療・介護等支援パッケージ」として実施されます。
ポイントは次の3つです。
- 令和8年度の介護報酬改定を待たない
- 人材確保とサービス継続を最優先
- 自治体を通じて早期に実行する
支援の柱① 介護人材の処遇改善・賃上げ支援(※居宅介護支援事業所も対象に含まれる)
今回の支援策の中心となるのが、介護人材の処遇改善・賃上げ支援です。
厚労省資料では、対象となる事業所として、
- 訪問介護事業所
- 訪問リハビリテーション事業所
- 訪問看護事業所
- 介護支援事業所(居宅介護支援事業所)
が明記されています。
- 対象はできるだけ幅広い介護職員
- 一時金ではなく「賃上げ相当額」を支給
- 支給対象期間は 令和7年12月〜令和8年5月分
人が辞めないための「即効性」を重視した支援です。
さらに、
- ICT導入
- 業務効率化
- 事業所間の協働化
などに取り組む事業所には、
賃上げ支援の上乗せが想定されています。
支援の柱② 職場環境改善・生産性向上支援
賃金だけでなく、
「働き続けられる職場づくり」も支援対象です。
- 業務負担の軽減
- 職場環境の改善
- ICT・テクノロジー導入
といった取り組みが評価されます。
短期的な人材確保だけでなく、
中長期的な定着を見据えた支援です。
支援の柱③ 介護サービスの継続支援
物価高などの影響で、
サービス提供そのものが難しくなっている事業所も少なくありません。
今回の支援では、
- 訪問・送迎にかかる経費
- 衛生用品・設備
- 必要な備品の確保
など、
「サービスを止めないための支援」も行われます。
地方交付金との関係
今回の資料では、
- 国の「医療・介護等支援パッケージ」
- 地方自治体が使える「重点支援地方交付金」
は、
趣旨が異なれば併用可能であることが明記されています。
つまり、
国の支援+自治体独自の支援が重なる可能性があります。
ケアマネジャーは何をすればいいのか
ここが一番重要なポイントです。
① 自治体の情報を最優先で確認する
制度の枠組みは国が示しましたが、
- 申請方法
- 対象事業所
- 受付時期
- 必要書類
は、自治体ごとに決まります。
👉 自治体のホームページ、通知、メール配信は必ず定期的に確認しましょう。
② 関係事業所の動きを把握する
ケアマネ自身が申請主体でなくても、
- 訪問介護事業所
- 通所系サービス
- 施設サービス
が支援を受けられるかどうかは、
利用者の生活に直結します。利用者負担の増加が懸念される
👉 「どの事業所が申請するのか」を把握しておくことが重要です。
③ サービス縮小・停止の兆しに注意する
人手不足が続く事業所では、
- 受け入れ制限
- サービス縮小
- 急な事業所変更
が起こりやすくなります。
今回の支援を活用できる事業所は、
サービス継続の可能性が高まります。
④ 利用者・家族への説明を準備しておく
今後、
「ヘルパーさんの給料はどうなるの?」
「この制度で何が変わるの?」
と聞かれることが増えます。
その際は、
「国が緊急支援を行い、職員の処遇改善や職場環境の改善を進めています」
と、
安心材料として説明できるようにしておきましょう。
⑤ 管理者・主任ケアマネは情報共有役に
管理者や主任ケアマネは、
- 最新情報の把握
- 事業所内での共有
- 他職種への説明
といった、
情報のハブ役が求められます。
今から準備しておくこと【チェックリスト】
- 自治体ホームページを定期的に確認
- 関係事業所が対象か整理
- サービス提供体制の変化に注意
- 利用者・家族への説明文言を準備
- 事業所内で情報共有
まとめ
今回の厚労省資料は、
単なる「補助金の話」ではありません。
- 介護サービスを守る
- 働く人を守る
- 利用者の生活を守る
ための緊急メッセージです。
ケアマネジャーは申請主体ではなくても、
制度を理解し、現場と利用者をつなぐ重要な役割を担っています。
ぜひ、この情報を事業所内や関係者と共有し、
今後の実務に役立ててください。

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