(厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1485」より)
出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1485」
https://www.mhlw.go.jp/content/001680554.pdf
🟦 はじめに
厚生労働省は、2027年度(令和9年度)から始まる 第10期介護保険事業(支援)計画 の策定に向けて、
都道府県と市町村が 事前に準備しておくべきポイント をまとめて示しました。
背景には、
- 2040年に向けて 85歳以上人口・認知症高齢者・独居高齢者が大幅に増える
- 一方で 生産年齢人口は減少
- 地域ごとに高齢化のスピードが大きく異なる
という現実があります。
そのため、自治体が 同じ認識を持ち、データに基づいて議論し、地域に合った介護サービス体制を整えること がこれまで以上に重要になります。
🟩 事前準備のポイント(わかりやすく要約)
① 介護サービス量の「中長期推計」を行う
● 何をする?
- 市町村は、2040年度までのサービス需要の見込み をデータで確認
- 地区別の状況も含めて、現状の課題を整理
- 「見える化システム」や政府統計を活用
● なぜ必要?
- 2040年に向けて、どのサービスがどれだけ必要かを把握しないと、
事業所不足・人材不足・地域格差 が深刻化するため。
● 都道府県の役割
- 市町村が分析しやすいように 観点や手法を事前に提示
- 7月頃に市町村と意見交換(広域での開催も可)
② 地域分類(中山間・人口減少地域/大都市部/一般市)ごとの課題整理
● 何をする?
- 地域ごとにサービス提供の課題を把握
- 特に「中山間・人口減少地域」は、
基準該当サービス・離島等相当サービス・特別地域加算 の状況を確認 - 事業所の減少や稼働率、経営状況もチェック
● なぜ必要?
- 地域によって課題が全く違うため、
一律の対策ではサービスが維持できない から。
③ 医療・介護連携の強化
● 何をする?
- 計画策定の初期段階で 医療と介護の協議の場 を開催
- 慢性期医療の需要や、施設の協力医療機関の確保状況を確認
- 協力医療機関がない施設はリスト化し、マッチングを検討
● なぜ必要?
- 85歳以上人口の増加により、
医療と介護の連携が不十分だと地域が回らなくなる ため。
④ 高齢者向け住まい(有料老人ホーム・サ高住)のデータを計画に反映
● 何をする?
- 都道府県は、入居定員総数などのデータを市町村へ提供
- 市町村は、在宅サービス利用者のうち「高齢者向け住まい入居者の概数」を可視化
- これをサービス見込み量の算定に活用
● なぜ必要?
- 有料老人ホームやサ高住が 介護ニーズの受け皿として増加 しているため。
⑤ 介護人材の確保・生産性向上・経営改善
● 何をする?
- 都道府県は 人材確保の定量的目標(数値) を設定
- 多様な人材確保、離職防止、生産性向上、外国人材受入などを総合的に進める
- 生産性向上については KPI(指標)を設定
- 市町村も必要に応じて取組を記載
● なぜ必要?
- 人材不足が深刻化する中、
人材確保と生産性向上を同時に進めないとサービス維持が困難 だから。
⑥ 認知症施策の強化
● 何をする?
- 認知症の人の推計、社会参加の場、医療・介護資源の現状を確認
- 認知症カフェ、本人ミーティング、若年性認知症支援コーディネーターなどの状況を把握
- 今後の姿と必要な取組を計画に記載
- 都道府県と市町村で情報を突合し、役割分担を整理
● なぜ必要?
- 認知症基本法・認知症施策推進基本計画に基づき、
共生社会の実現に向けた具体的な行動が求められる ため。
🟦 全体の流れ(ざっくり)
- 4月〜:都道府県→市町村へ分析依頼、データ整理開始
- 7月頃:都道府県・市町村で課題共有
- 秋〜冬:計画素案づくり、見込量・保険料試算
- 翌年3月:計画確定
- 令和9年度以降:地域ごとの具体的なサービス確保策を実施
🟧 まとめ
第10期計画は、
「2040年を見据えた、地域に合った介護サービス体制をどう確保するか」
が最大のテーマです。
そのために、
- データに基づく中長期推計
- 地域ごとの課題整理
- 医療・介護連携
- 高齢者向け住まいの把握
- 人材確保と生産性向上
- 認知症施策の強化
といった多面的な準備が求められています。


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