診療情報提供書(介護保険関連)とは?費用・算定要件・ケアマネジャーが知っておきたいポイント
結論
介護保険サービスの利用や施設入所の際に医療機関が作成する診療情報提供書(紹介状・情報提供書)は、多くの場合「診療情報提供料(Ⅰ)」250点で算定されます。
後期高齢者医療制度などで1割負担の場合の自己負担額は250円です。
また、退院時の情報提供や地域連携などでは加算が算定されることがあり、患者さんの自己負担額が変わる場合があります。
ケアマネジャーにとっては、利用者の医療情報を正しく把握し、適切なケアプランを作成するために欠かせない資料です。
この記事のポイント
- 診療情報提供書の費用が分かる
- 診療情報提供料(Ⅰ)の仕組みが理解できる
- ケアマネジャーへの情報提供の算定要件が分かる
- 老健・介護医療院への情報提供との違いが分かる
- 各種加算の内容と自己負担額が理解できる
- ケアマネジャーが依頼する際のポイントが分かる
診療情報提供書(介護保険関連)とは
診療情報提供書とは、医療機関が患者さんの診療内容や健康状態を文書でまとめ、介護サービス事業所や介護保険施設などへ情報提供するための書類です。
介護保険では、次のような場面で利用されます。
- ケアプランの作成
- 訪問介護や訪問看護の導入
- デイサービス利用
- 福祉用具の選定
- 老健・介護医療院への入所
- 退院後の在宅生活への移行
医療と介護をつなぐ重要な情報共有ツールといえます。
診療情報提供書の費用はいくら?
診療情報提供料(Ⅰ)は250点で算定されます。
患者さんの自己負担額
| 医療保険の負担割合 | 自己負担額 |
|---|---|
| 1割負担 | 250円 |
| 2割負担 | 500円 |
| 3割負担 | 750円 |
※医療保険で算定されるため、介護保険の区分支給限度額には影響しません。
診療情報提供料(Ⅰ)とは
診療情報提供料(Ⅰ)は、医療機関が紹介状や診療情報提供書を作成し、介護サービスの利用や施設入所などに必要な医療情報を提供した場合に算定されます。
ケアマネジャーにとってのメリット
- 正確な医療情報を把握できる
- ケアプランの根拠が明確になる
- 医療ニーズを反映したサービス調整ができる
- 多職種との情報共有がスムーズになる
ケアマネジャー・地域包括支援センターへの情報提供(注2)
介護サービスを利用するために必要な医療情報を提供する場合です。
提供される情報
- 健康状態
- 現在の治療内容
- 日常生活動作(ADL)
- 生活状況
- 介護サービスを利用する上で必要な医学的情報
算定要件
- 患者さん本人の同意が必要
- 月1回まで算定可能
- 入院患者は退院前後2週間以内に限る
- 自宅へ退院する患者が対象
- 市町村立医療機関が同じ市町村へ情報提供する場合は算定できない
ケアマネジャーが確認したいポイント
診療情報提供書を依頼するときは、
- どのサービスを予定しているか
- 医療的に確認したい内容
- ケアプラン作成で必要な情報
を具体的に伝えると、必要な情報を受け取りやすくなります。
老健・介護医療院への紹介(注5)
介護老人保健施設(老健)や介護医療院へ入所する際に、診療情報を添えて紹介する場合です。
算定要件
- 本人の同意
- 診療情報提供書を添付
- 月1回まで算定可能
施設側は入所判定や医療管理を行うため、この情報提供書を重要な資料として活用します。
退院時の老健・介護医療院への情報提供(注8)
退院後も継続した医療が必要な場合に、治療計画などを詳しく提供します。
添付される主な内容
- 治療計画
- 検査結果
- 画像情報
- その他必要な医療情報
算定要件
- 退院月または翌月のみ
- 200点加算
- 添付資料を診療録へ保存
- 同一施設には6か月間再算定不可
1割負担の場合
200円
老健入所中の利用者への診療情報提供(注4)
老健入所中に診療情報を施設へ提供する場合です。
算定要件
- 本人の同意
- 月1回まで
- 同一敷地内など特別な関係の施設には算定できない
地域連携診療計画加算(注16)
地域連携診療計画に基づいて退院後の療養情報を提供した場合の加算です。
算定要件
- 退院月または翌月
- 50点加算
1割負担
50円
療養情報提供加算(注17)
在宅療養中の患者さんが老健や介護医療院へ入所する際、訪問看護ステーションから得た情報も合わせて提供する場合の加算です。
算定要件
- 本人の同意
- 訪問看護ステーションの情報を添付
- 50点加算
1割負担
50円
ケアマネジャーが診療情報提供書を依頼するときのポイント
病院へ依頼する際は、次の点を伝えると必要な情報を得やすくなります。
- 利用予定の介護サービス
- 医療的に注意すること
- リハビリの継続予定
- 食事や栄養管理の必要性
- 医療処置の有無
- 緊急時の対応方法
- 今後の治療方針
早めに依頼することで、退院支援やサービス調整もスムーズになります。
診療情報提供書(介護保険関連)の費用一覧
| 項目 | 内容 | 1割負担 |
|---|---|---|
| 診療情報提供料(Ⅰ) | 基本となる診療情報提供書 | 250円 |
| 退院時の老健・介護医療院への情報提供 | 治療計画・検査結果などを添付 | 200円 |
| 地域連携診療計画加算 | 退院後の療養情報提供 | 50円 |
| 療養情報提供加算 | 訪問看護ステーションの情報を添付 | 50円 |
まとめ
診療情報提供書は、医療と介護をつなぐ重要な情報共有のための書類です。
ケアマネジャーが診療情報提供書を活用することで、
- 医療ニーズを踏まえたケアプランを作成できる
- 多職種との連携がスムーズになる
- 退院後の生活を安心してスタートできる
- 利用者や家族への説明もしやすくなる
特に退院支援では、早めに診療情報提供書を依頼し、病院・ケアマネジャー・介護サービス事業所が同じ情報を共有することが、質の高い支援につながります。
参考・引用
- 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要」
- 厚生労働省「医科診療報酬点数表(診療情報提供料(Ⅰ))」
- 厚生労働省「診療報酬点数表の解釈」
- 厚生労働省「疑義解釈資料」
- 中央社会保険医療協議会(中医協)資料
- 社会保険研究所「医科点数表の解釈」


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