結論:ケアマネの研修時間は「仕事の時間」として扱う方向になっている
- 研修時間を労働時間として扱う方向性が、厚生労働省の公式資料で示されている。
- 事業者には、ケアマネが研修を受けられるよう「必要な措置」を講じる義務が課される見通し。
- 資格更新の仕組みは廃止されるが、研修受講は続けて求められる。
- ケアマネにとっては、研修が「サービス残業」ではなく、正当に評価される追い風の流れ。
要点の整理(この記事でわかること)
- 研修時間が労働時間として扱われる方向性の内容
- 事業者に求められる「必要な措置」とは何か
- 資格更新制度の廃止と研修継続の関係
- 居宅介護支援・介護予防支援の現状と課題
- ケアマネにとってのメリットと、事業者・自治体の対応ポイント
- 根拠となる厚生労働省の資料(第259回介護給付費分科会 資料6)の位置づけ
介護支援専門員の研修時間は「労働時間」として扱う方向性
厚労省資料に示された新しい考え方(根拠)
ポイント:
- 第259回社会保障審議会介護給付費分科会(令和8年6月29日)資料6「居宅介護支援・介護予防支援」に記載。
- ここで、
- ケアマネジャー本人に研修受講を求める
- 事業者に対しても、従事するケアマネジャーが研修を受けるための必要な措置を講ずる義務を課す という方向性が示されている。
「必要な措置」の中身(方向性):
- 研修時間を労働時間として扱うこと
- 研修に行けるよう勤務シフトを調整すること
- 研修受講を妨げない職場環境を整えること
- 費用負担を軽くするため、基金などの制度を活用すること
まだ「決定事項」ではなく、分科会で議論されている段階ですが、方向性としてはかなりはっきり示されています。
なぜ研修時間が「労働時間」になる方向なのか
背景:
- 高齢者の課題が複雑になり、ケアマネには多様な対応が求められている。
- 一方で、
- 生産年齢人口は減少
- ケアマネの従事者数は横ばい
- 居宅介護支援事業所数は減少傾向 → 担い手不足の中で、質の高いケアマネジメントが求められている。
そのため:
- ケアマネの研修は「自己犠牲」ではなく、仕事として正当に評価されるべきもの
- 事業者が研修を支えることで、
- ケアマネの質の向上
- 利用者への支援の質の向上 が期待されている。
事業者に求められる「必要な措置」とは何か
研修時間を労働時間として扱う
具体的なイメージ:
- 研修に参加している時間は、勤務時間としてカウントされる。
- 「休みの日に自費で研修に行く」ではなく、
- シフトを調整して
- 給与が支払われる前提で 研修に参加できるようにする。
勤務シフト・業務量の調整
事業者が行うべきこと:
- 研修の日程に合わせて、担当件数や訪問スケジュールを調整する。
- 他のケアマネや事務職員が業務をカバーする体制を作る。
- 「忙しいから研修に行けない」という状況を減らす。
研修受講を妨げない職場環境づくり
必要な配慮:
- 研修情報を事業所内で共有する。
- 研修に行くことを評価し、マイナスに扱わない。
- 研修後に学びを事業所内で共有できる場を作る。
費用負担の軽減(基金などの活用)
資料で示されている方向性:
- 地域医療介護総合確保基金などを活用し、研修費用の負担を軽くする。
- 経済的な理由で研修を受けられない状況を減らす。
資格更新制度の廃止と研修継続の関係
更新制度はなくなるが、研修は続く
資料のポイント:
- 介護保険部会の意見書で、
- ケアマネジャーの研修受講は求める
- 更新の仕組みは廃止する とされている。
意味するところ:
- 「更新研修を受けないと資格が切れる」という仕組みはなくなる。
- しかし、研修そのものは続き、
- 資質向上
- 最新情報のキャッチアップ のために受講が求められる。
ケアマネにとってのメリット
- 更新のプレッシャーが減る。
- 研修が「仕事の一部」として扱われることで、
- 心理的負担
- 経済的負担 が軽くなる。
- 事業者が研修を支えることで、
- チームとして学びを共有しやすくなる。
居宅介護支援・介護予防支援の現状と課題(ざっくり整理)
居宅介護支援・介護予防支援の現状
資料の内容:
- 居宅介護支援事業所数は減少傾向。
- 介護予防支援は、令和6年度から居宅介護支援事業所が直接実施可能に。
- 指定をしている市町村は約47.9%、 指定を受けている居宅介護支援事業所は約2割程度。
ケアマネの役割の重要性と負担
資料で示されている課題:
- 高齢者の課題が複雑・複合化。
- ケアマネの役割はますます重要になっている。
- 一方で、担い手不足が見込まれている。
そのため:
- 生産性向上(業務効率化)が必要。
- ケアプランデータ連携システムの導入率も急速に上昇している。
ケアマネにとっての「追い風」ポイント
研修が「サービス残業」ではなくなる方向
- 研修時間が労働時間として扱われることで、
- 自分の時間を削って研修に行く負担が減る。
- 正当に評価される「仕事」として研修に参加できる。
事業者が研修を支える義務を持つ
- 事業者が研修を支えることで、
- ケアマネが学びやすい環境が整う。
- チーム全体の質が上がる。
制度全体が「ケアマネの質向上」を重視する方向へ
- 資格更新制度の廃止は、
- 罰則的な仕組みではなく、
- 継続的な学びを支える仕組みへと変わる動き。
- ケアマネの専門性を高めることが、
- 利用者の生活の質
- 地域包括ケア に直結するという考え方が強くなっている。
引用・根拠資料について
引用元:
- 厚生労働省「第259回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」資料6「居宅介護支援・介護予防支援」
- 公開日:令和8年6月29日
- 公開元:厚生労働省老健局
この記事の内容は、上記資料に記載された
- 居宅介護支援・介護予防支援の現状
- ケアマネジャーの研修・更新制度に関する方向性
- 事業者に求められる「必要な措置」 をもとに作成しています。
まとめ|これからのケアマネの働き方を考えるきっかけに
- 研修時間を労働時間として扱う方向性は、ケアマネにとって大きな追い風。
- 事業者には、ケアマネが研修を受けられるよう、職場環境・勤務体制を整える義務が課される見通し。
- 資格更新制度はなくなるが、研修は続き、学び続けるケアマネが評価される時代になっていく。
- 居宅介護支援・介護予防支援の現状と課題を踏まえ、
- ケアマネ
- 事業者
- 自治体 がそれぞれの立場で、これからのケアマネジメントのあり方を考えることが求められている。
この流れを、現場で働く人たちにとって「少しでも前向きな変化」として受け取れるよう、情報を追いながら一緒に整理していきましょう。


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