まず結論からまとめます。
- 支援パッケージVol.3: 地域づくりの実務に役立つ「言い回し」「避けたい対応」などを整理したハンドブックの改訂版
- 災害等に備えた平時の体制整備ハンドブック: 市町村と地域包括支援センターが一緒にBCPと災害対応体制を作るための考え方と手順
- 家族介護者支援の取組事例集: ケアラー支援を地域でどう進めるか、具体的な事例と工夫をまとめた事例集
この3つは、
「地域づくり」「災害への備え」「家族介護者支援」を、
市町村・地域包括支援センター・関係機関が一体となって進めるための“実務ツール集”です。 厚生労働省 厚生労働省
介護保険最新情報Vol.1511とは(概要)
- 発出日: 令和8年6月15日
- 発出元: 厚生労働省 老健局 認知症施策・地域介護推進課
- 宛先: 都道府県・市区町村の介護保険担当部局 ほか
- 内容:
支援パッケージ(地域づくり支援ハンドブックVol.3)のポイント
支援パッケージVol.3が必要とされる理由(要点)
1. 地域づくりの現場で“つまずきやすいポイント”が多いから
住民主体の通いの場づくりや総合事業の立ち上げでは、
- 住民との関わり方
- 関係者との調整
- 進め方の順番
などで迷いやすく、自治体・包括・支援者から「どう進めればいいか分かりにくい」という声が多い。
→ その“つまずき”を減らすための実務的な道しるべとして必要。
2. 制度改正(令和6年改正)に合わせて最新の考え方を共有するため
地域支援事業の要綱改正により、
- 地域づくりの進め方
- 住民主体の活動支援
- 中間支援の役割
がアップデートされている。
→ 古い情報のまま進めるとズレが生じるため、最新の制度に沿った内容へ更新する必要がある。
3. 支援者が住民と関わる際の“望ましい言い方・避けたい言い方”を整理するため
Vol.3では特に、
- 避けた方がよい表現
- 住民の意欲を損なわない関わり方
- 信頼関係を築くためのコミュニケーション
が具体例として追加されている。
→ 地域づくりは「人と人の関係」で成り立つため、支援者の関わり方の質を高めることが重要。
地域づくり支援ハンドブックVol.3とは
ねらい:
- 介護予防・日常生活支援総合事業などを進めるときに出てくる「現場の困りごと」を整理し、
どう進めればよいかの“道しるべ”を示すハンドブックです。 厚生労働省
今回の位置づけ:
- すでにVol.1・Vol.2が出ており、今回はVol.3の改訂版の周知です。
- 対象は
- 市町村向けハンドブック
- 市町村の支援者向けハンドブック
の2種類があります。 厚生労働省
地域づくり支援ハンドブックVol.3の主な改訂内容
- 実践知にもとづく「避けたい表現・対応例」の追加(支援者向け)
- アドバイザーの経験から、「住民との関わりで避けた方がよい言い方・対応」を整理
- 住民との信頼関係を壊さないための注意点が具体的に書かれています。
- 令和6年地域支援事業実施要綱等の改正を反映
- 制度改正に合わせて、文言や内容をアップデート
- 最新の要綱に沿った地域づくりができるように調整されています。
- 参考文献リストの更新
- 地域づくりに関する資料・研究などのリストを更新
- さらに深く学びたいときの“入口”として使えます。 厚生労働省
地域づくり支援ハンドブックVol.3をどう活用するか
- 市町村担当者向けの使い方イメージ
- 総合事業の見直しや地域ケア会議の企画時に、
- 「どこから手をつけるか」
- 「住民とどう話を進めるか」
を考えるときの“チェックリスト”として活用。
- 総合事業の見直しや地域ケア会議の企画時に、
- 地域包括支援センター・中間支援組織向けの使い方
- 住民主体の通いの場・ボランティア活動などを支えるときに、
- 住民への声かけ
- 関係者との調整
の場面で、避けたい表現・望ましい関わり方を確認するツールとして使えます。
- 住民主体の通いの場・ボランティア活動などを支えるときに、
- 研修・勉強会での活用
- 市町村職員・包括職員・社会福祉協議会・NPOなどを集めた研修で、
- 事例を読み合わせ
- 自分たちの地域での応用を話し合う
といったワークに使うと、共通認識づくりに役立ちます。
- 市町村職員・包括職員・社会福祉協議会・NPOなどを集めた研修で、
災害等に備えた平時からの体制整備ハンドブックのポイント
市町村・地域包括センターの災害BCPと平時の体制整備
背景:
- 地震・豪雨などの自然災害が頻発し、
「災害時にも高齢者の生活を守れる体制」が求められています。 - 介護保険制度では、事業所の業務継続計画(BCP)策定が義務化され、
災害時にもサービスを続ける責任が高まっています。 厚生労働省
ポイント:
- 災害対応は、一つ一つの事業所だけの問題ではなく、地域全体のネットワークの課題
- 地域包括支援センターは、
- 地域の状況把握
- 支援のつなぎ
- 関係機関との調整
を担う「ハブ」として期待されています。 厚生労働省
平時からの体制整備ハンドブックの内容
このハンドブックは、
令和7年度老人保健健康増進等事業の一つとして作成されたものです。 厚生労働省
タイトル(要旨):
市町村と地域包括支援センターが始める!
BCP作成を行動に変える、平時の体制整備ハンドブック
~災害への備えと「対話」~
主な内容イメージ:
- 基本的な考え方の整理
- 市町村と地域包括支援センターが、
- どのように役割分担するか
- どのように連携するか
をわかりやすく整理。
- 市町村と地域包括支援センターが、
- 平時からの「認識合わせ」と「対話」の視点
- 災害が起きてからではなく、
- 平常時に「誰が何をするか」を話し合っておく
- 情報共有のルールを決めておく
ことの重要性を示しています。
- 災害が起きてからではなく、
- 実効性のある災害対応体制を作るためのステップ
- 体制づくりの流れ
- 会議・打ち合わせで話すべきポイント
- 想定しておくべき場面(避難、安否確認、在宅高齢者への支援など)
災害等に備えた平時からの体制整備ハンドブックの活用方法
- 市町村のBCP・地域防災計画とのつなぎ
- 介護保険部局だけでなく、防災担当・福祉部局と一緒に読み、
- 地域防災計画
- 高齢者支援の個別計画
との整合性を確認する材料として活用。
- 介護保険部局だけでなく、防災担当・福祉部局と一緒に読み、
- 地域包括支援センターとの合同検討会
- ハンドブックをテキストにして、
- 「災害時に、誰が、どの情報を、どこに集めるか」
- 「在宅高齢者の安否確認をどう仕組み化するか」
を話し合う場を設定。
- ハンドブックをテキストにして、
- 事業所・関係機関への波及
- 包括支援センターが中心となり、
- ケアマネジャー
- 通所・訪問・施設系事業所
- 社協・民生委員
などと一緒に、地域全体の支援体制をイメージするための資料として活用できます。
- 包括支援センターが中心となり、
家族介護者支援にかかる取組事例集のポイント
家族介護者支援の取組事例集が必要とされる理由(要点)
1. 家族の負担が深刻化しており、支援の“実例”が求められているため
高齢者本人だけでなく、
- 介護する家族の心身の負担
- 仕事との両立
- 経済的問題
- 家族関係の悪化
などが複合的に起きている。
→ 自治体・包括が「どう支援すればいいか」を具体的に示す必要がある。
2. 複雑化・複合化した世帯への支援は、一般的なマニュアルだけでは対応できないため
事例集では、
- 相談の進め方
- 関係機関との連携
- 支援の組み立て方
などを“実際のケース”で示している。
→ 現場がすぐ使える「実務のヒント」が必要とされている。
3. 市町村・地域包括支援センターの役割を明確にし、地域全体でケアラーを支えるため
事例集は、
- 市町村の施策
- 包括の相談支援
- 地域資源の活用
を整理し、
→ 「家族全体を支える」という視点を地域に広げるための教材として必要。
家族介護者支援(ケアラー支援)事例集とは
背景:
- 高齢者本人だけでなく、
介護を担う家族(ケアラー)の負担や生活の質が大きな課題になっています。 - 複雑な課題を抱える世帯も増え、
- 介護
- 仕事
- 経済的な問題
- 心身の不調
などが重なりやすくなっています。 厚生労働省
事業の位置づけ:
- 令和7年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)
「複雑化・複合化した課題を抱える高齢者とその家族を支えるための
地域支援事業における家族介護者支援のあり方に関する調査研究事業」
の成果として作成された事例集です。 厚生労働省
事例集のタイトル(要旨):
地域の高齢者とその家族を支える
市町村・地域包括支援センター等におけるケアラー支援事例集
~家族の生活・人生の質も大切に 社会で家族全体を支える視点をもって~
家族介護者支援事例集の内容イメージ
- 市町村・地域包括支援センター等の具体的な取組事例
- 相談支援の工夫
- 介護者向けの集い・教室・ピアサポート
- 就労との両立支援
- 経済的・心理的負担への支援 など
- 複雑な課題を抱える世帯へのアプローチ
- 高齢者本人だけでなく、
- 同居家族の健康状態
- 仕事や収入
- 家族関係
などを含めて支援する視点が示されています。
- 高齢者本人だけでなく、
- 「家族全体を支える」視点の整理
- 介護者の生活や人生の質も大切にする
- 「家族任せ」にせず、地域・社会全体で支える
という考え方が、事例を通してわかる構成になっています。 厚生労働省
家族介護者支援事例集の活用方法
- 市町村の施策立案・見直しに活用
- 地域支援事業(一般・包括的支援事業)の中で、
- どのような家族介護者支援メニューを用意するか
- 既存の事業をどう組み合わせるか
を考えるときの参考になります。
- 地域支援事業(一般・包括的支援事業)の中で、
- 地域包括支援センターの実務に活用
- 相談対応の場面で、
- 「こういう支援の組み立て方がある」
- 「他自治体ではこうしている」
というヒントとして使えます。
- 相談対応の場面で、
- 研修・ケース検討会での活用
- ケアマネジャー研修や多職種連携会議で、
- 事例を読み、
- 自地域での応用を話し合う
ことで、ケアラー支援の視点を共有できます。
- ケアマネジャー研修や多職種連携会議で、
介護保険事業運営における実務的な活用の視点
3つの資料を「バラバラにしない」活用の仕方
1. 地域づくり支援ハンドブックVol.3(支援パッケージ)
- 地域づくり・総合事業・住民主体の取組の“進め方”の参考書
2. 災害等に備えた平時からの体制整備ハンドブック
- 地域包括支援センターと市町村が一緒に作る「災害時の支援体制」の設計図
3. 家族介護者支援事例集
- 高齢者本人だけでなく、家族全体を支えるための具体的なアイデア集
これらを、
- 地域包括ケアシステムの深化
- 第10期介護保険事業(支援)計画の策定・見直し
- 地域支援事業の企画・評価
とセットで考えると、
「地域づくり」「災害対応」「家族支援」がつながった形で整理しやすくなります。 厚生労働省
現場での具体的な一歩
- 庁内・関係機関での共有
- 介護保険担当課だけでなく、
- 地域包括支援センター
- 社会福祉協議会
- 防災担当
- 子ども・障害・生活困窮などの部局
と一緒に資料を共有し、横断的な検討のきっかけにする。
- 介護保険担当課だけでなく、
- 既存の計画・事業とのひも付け
- すでにある計画(介護保険事業計画、地域福祉計画、防災計画など)に、
- どこを反映できるか
- どこを見直す必要があるか
をチェックする。
- すでにある計画(介護保険事業計画、地域福祉計画、防災計画など)に、
- 小さく始めて、広げていく
- いきなり大きな仕組みを作るのではなく、
- 1つの地区
- 1つのテーマ(例:ケアラーの集い、災害時の安否確認)
から試行し、うまくいった方法を広げていく。
- いきなり大きな仕組みを作るのではなく、
引用・参考
- 厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課
「介護保険最新情報Vol.1511
支援パッケージ(地域づくり支援ハンドブックVol.3)について(周知)、
市町村・地域包括センターにおける災害等に備えた平時からの体制整備に向けたハンドブックについて(周知)、
市町村及び地域包括支援センター等における家族介護者支援にかかる取組事例集について(周知)」 厚生労働省 厚生労働省


コメント